9人が立候補した静岡・伊東市長選が14日投開票され、元市議で国民民主党推薦の杉本憲也氏(43)が当選した。東洋大卒業を巡る学歴詐称疑惑で2度の不信任決議を受け、失職し、出直し選となった田久保真紀前市長(55)は3番目の得票で、有権者にNOを突き付けられた。今後の焦点は捜査当局の動きで、〝田久保劇場〟は次なる局面を迎える。

 田久保氏は当初、開票結果が出た後に報道陣に対応するとしていたが、日付が変わっても事務所に姿を見せることはなかった。陣営関係者は「電話したところ、そんな落ち込んではなかった」と話し、後日SNSでコメントなどを出す予定だという。

 今後はイバラの道が待ち受ける。5月の市長選で報道各社に東洋大卒業と虚偽の経歴を提出した公職選挙法違反の疑い、当選後に市の広報誌に東洋大卒業の経歴を記載した虚偽公文書作成及び同行使の疑い、卒業証書とされる文書を議長、副議長にチラ見せしたことでの偽造有印私文書等行使の疑い、市議会百条委員会に卒業証書の提出を拒否した地方自治法違反などで刑事告発されている。

「これまでは田久保氏が現職だったことや選挙前で捜査当局は手を出しづらかったが、落選となったので動くのが一般的です。選挙後に摘発されるので、〝落ち武者狩り〟といわれており、刑事告発された案件に一斉にメスが入れられていきます」(永田町関係者)

 田久保氏と同じく2度の不信任決議で失職し、出直し選でも敗れた大阪・岸和田市の永野耕平前市長は選挙から5か月後に収賄と官製談合防止法違反などの疑いで逮捕、起訴され、いまだ勾留されている。PR会社へ報酬を支払った公選法違反の疑いやプロ野球の優勝パレードを巡る背任などの疑いで刑事告発された兵庫県の斎藤元彦知事は先月、嫌疑不十分で不起訴処分となったが、兵庫県知事選で2馬力選挙で暴れたNHK党の立花孝志党首は元兵庫県議への名誉毀損の疑いで先月逮捕された。

 田久保氏の一連の騒動での開き直りともいえる言動によって、ネット上や子供たちの間で「タクボる」のワードが使われ、「卒業証書19・2秒」は新語・流行語大賞にノミネートされ、ワイドショーでも引っ張りダコとなった。

 捜査当局の手が及んでも無罪放免となれば、騒動で勝ち取った知名度を武器に国政転身もウワサされるが…。この先に待ち受けるのは、果たして天国か地獄か――。