まさかのブーイングに――。米国・WWEのレジェンド、ジョン・シナ(48)の引退試合が13日(日本時間14日)の「サタデーナイツ・メインイベント」(ワシントンDC)で行われ、シナは〝皇帝〟グンター(38)の胴締めスリーパーでギブアップし、25年のプロレスラー生活に幕を下ろした。
「ネバーギブアップ」を信条としてきたが、皇帝の執ようなスリーパー地獄に、笑みを浮かべながら左手で相手の腕を叩きタップアウト。最後は力尽きて自ら負けを認めた。衝撃の〝バッドエンド〟に、中継ではシナの有終の美を期待していた観衆が頭を抱えるシーンが次々に映し出された。実況のマイケル・コール氏も「今夜、プロレスがスポーツエンターテインメントを破壊した。1万9000人のファンがショックを受けている。あの男がタップアウトしてから20年以上がたつが、伝説的なキャリアがこんな形で終わることを誰も望んでいなかった」と言い切った。
1万9232人の観衆は不満たらたらで、グンターにブーイングを浴びせると、何と「ボー・シット!(ありえねえ!)」の大チャントが起きた。リングに残ったシナがマットにキスしてようやく収まり、「サンキュー、シナ!」のチャントに変わった。シナも「本当にありがとう」と言って四方に礼。ところが団体CCO(最高コンテンツ責任者)のトリプルH(ポール・レベック氏)が姿を見せると、再び大ブーイングとなった。これも世界ヘビー級王者のCMパンクと統一WWE王者のコーディ・ローデスが感謝の印として、2人のベルトをシナの肩にかけて収まるも、トリプルHがエプロンでシナと抱擁をかわすと、またもブーイングに…。
グンターは現役最強の一人と目される強豪。一方のシナは9月に〝ビースト〟ブロック・レスナーに惨敗を喫し、11月には28歳のドミニク・ミステリオにも敗れ、インターコンチネンタル王座を奪回された。トーナメントで決まった相手とはいえ、そもそもシナの勝ち目はなかっただけに、〝ハッピーエンド〟を望んだ観衆の不満が、現場責任者のトリプルHに向けられたのだ。
大会後のポストショーに出演したトリプルHは、観衆からの批判について「ジョンはキャリアを通じて常に正しいことを語ってきた。『この場所を、自分が来た時よりも良い状態で去ることだ』とね」と話した。その上で「彼があんな形で負けたことは誰も納得できないかもしれない。だが我々はプロレスのために正しいことをする。ジョンはキャリアを通じてそれを貫いてきた。俺もキャリアを通じてそうするつもり。俺がやることは、このビジネスのために正しいと信じることを実行することだ。それが現実、我々の仕事の一部だし、我々の選んだ役割なのだ」と主張した。
シナのレスラー人生は〝賛否両論の男〟らしく最後まで波乱を呼んだ。












