新リーダーは教団をどう導くのか――。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会長辞任を発表した田中富広氏(69)が9日、都内で会見を開いた。会見で田中氏は辞任理由の説明と、後任に堀正一元副会長(55)が就任すると発表した。20年以上、旧統一教会を取材してきた鈴木エイト氏はリーダーの交代劇をどう見たのか。

 田中氏は会見で(1)継続的に社会を騒がせたことに対する道義的責任、(2)教団に対する解散命令請求が高裁での審理を終え決定を待つ段階に入ったこと、(3)次世代の指導者を迎える環境が整ったと3つの理由を挙げた。

 田中氏は2020年に会長に就任。22年の安倍晋三元首相銃撃事件後に改めて注目を浴びた高額献金問題、23年の文部科学省による解散命令請求などの対応をしてきた。

 田中氏は「2009年のコンプライアンス宣言以降、トラブルは激減しました。そして暗殺事件後の数年間さらなる献金の透明性の向上、ガバナンスの強化。社会への見える化と対話を重視する改革を進めてまいりました」と実績を強調。

「その取り組みが安定してきた今、二世のリーダーにバトンを渡すことが組織の未来にとって、最良の選択」と述べた。後任には堀元副会長が就任する。

 自身については「いち会員として、また一人の人間として、教団と社会に貢献できる道を模索し続けて参ります」とした。

 堀新会長とはいかなる人物なのか。教団のプロフィルによると12歳で韓国に留学し、鮮文大学校神学科を卒業。05年本部二世局長を皮切りに各役職を歴任。18年に世界平和統一家庭連合の副会長となり今回、第15代会長に就任した。

 リーダーの交代にエイト氏は「別に大したことではないかなぐらいのこと」と冷ややか。堀新会長についても「韓国との関係を断ち切って、日本の教団だけでやり直していこうみたいな人じゃない。韓国の上意下達組織というのはそのまま。状況は変わらないと思います」と教団の体質に変化はないとみている。

 田中氏は被害者補償について「法の枠を超え取り組みを始めた」と述べたが、これについてもエイト氏は「欺瞞(ぎまん)」と指摘。「『枠を超えた補償』と言いながら個別の民事訴訟は係争中だと言って認めていない。集団訴訟には応じて数で『被害救済に取り組んでますよ』というのを高裁に示して解散命令を覆したいんだろうなというのが透けて見える」

 最後に「今後も生温かい目で監視していかなければならない」と厳しい言葉を並べた。