【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。インフルエンザが猛威を振るっているそうです。そうすると、ワクチンを巡ってさまざまなデマや陰謀論がネット上で拡散しがちです。注意したいですね。

 さて、そんなニュースに関連して、今週はSNSの暴走と陰謀論が巻き起こす様を描いた、スリラー映画「エディントンへようこそ」(12日公開)を紹介します。

 今作は2020年のアメリカ・ニューメキシコ州エディントンが舞台。コロナ禍のロックダウンの中で保安官のジョーと市長のテッドがマスクをするかしないかの小競り合いをきっかけに対立します。すると、ジョーが市長選にまさかの立候補。フェイクニュースや陰謀論も絡み選挙戦は大荒れとなっていく――という物語です。

 この映画はアメリカのお家芸である西部劇を現代に落とし込んだものだと僕は見ています。保安官と市長の対立というのは、西部劇でいう決闘の構図です。決闘は真昼に銃で撃ち合うものですが、今回はそれが銃ではなく制度や言論が武器として使われるんです。現代ではある意味でSNSも相手を抹殺するに足る威力を持っていますからね。SNSを駆使して、互いの正義を振りかざして相手をやっつけるという現代の決闘。それはまさに外出を禁じられ、皆が不安とストレスを抱えたコロナ禍に一気に加速したと言えるのではないでしょうか。そんなコロナ禍のカオスを面白おかしく滑稽に描いているのが本作だと感じました。

 また、陰謀論やフェイクニュースも物語の重要なキーです。SNSがユーザーの趣味嗜好を学習し、その人の求める情報ばかりを表示するようになったことで、人は自分に似た意見以外が目に入らなくなってきているという現状があると思います。だから、自分の意見は正しいんだと補強を繰り返してしまう。陰謀論やフェイクニュースが蔓延する根底には、我々の視野の狭量化があるんだと映画を見て感じました。

 現代の混沌、人々が分かり合えないディスコミュニケーションの時代をブラックユーモアたっぷりに映画に落とし込んだ快作だと思います。ぜひ劇場でご覧ください。