【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。将棋の第73期王座戦5番勝負第5局が10月28日に行われ、藤井聡太七冠が伊藤匠叡王に敗北。六冠となりました。2人は小学生時代にも対戦した同級生のライバルです。藤井六冠、伊藤二冠の2強時代が訪れるんでしょうか。将棋の新時代到来の予感にワクワクしますね。
さて、そんな将棋界の熱いニュースに関連し今週は、将棋が物語の核となる最新作、映画「盤上の向日葵」を紹介します。
映画は「孤狼の血」で知られる柚月裕子さんの同名小説が原作。山中で白骨死体が発見される。事件解明の手がかりは、死体とともに発見されたこの世に7組しか存在しない希少な将棋駒。そこで天才棋士・上条桂介に容疑がかけられるという、ドラマチックなヒューマンミステリーです。
本作は、将棋の駒+白骨死体という仕掛けがとにかくすごい。通常はこういったミステリーものってただの犯人捜しに終始するんですよ。しかしこの映画は、緻密な将棋の世界というものを背景におきながら、裏社会、賭け将棋というアンタッチャブルな陰の世界を絡めているということがポイント。将棋の盤面の展開と登場人物の心の描写をリンクさせている構造にうなりましたね。
また、将棋の勝負を描くことで静と動の対比も生まれています。対局シーンは静けさとともにあるんだけど、その裏で動いている物語はかなりいかつい裏社会的な展開だったりするんですね。
最終的には、勝負の勝ち負けが罪と赦しにテーマを変えていくんですよ。将棋に決して詳しくない僕でも、将棋は人生の縮図なんじゃないかと思ってしまうような、そんなドラマチックな人間ドラマになっていました。
勝負事というものは、必ず勝者と敗者がいます。トーナメントを行えば、1人以外のすべての人が負けてしまう。それでも人生は続いていくことを考えると、勝つことだけがすべてなのか。盤面での差し手、差し順、負け方にも美学がある。それは人生も同じことだなとこの映画を見て強く感じました。必見の一作になっていると思います。ぜひ劇場でご覧ください。












