【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。群馬県前橋市の小川晶市長のラブホテル密会が話題ですね。小川氏は市職員の男性との男女関係を否定。相談や打ち合わせを行っていたと説明していますが、市民の理解は得られていないようです。騒動がどのような形で落ち着くのか、注目です。
さて、そんなニュースに関連し、今週は田舎のラブホテルでの群像劇を描く2020年公開の映画「ホテルローヤル」を紹介します。
今作は、直木賞を受賞した作家・桜木紫乃氏の同名小説短編集を映画化したもの。北海道の湿原に立つラブホテルを舞台に、さまざまな問題を抱える宿泊者、経営者、従業員の人間模様を描きます。
今作の見どころは、ラブホテルがテーマなのに、結局全くセクシーシーンがないというところです。あくまで、ラブホテルという設定を借りた群像劇なんですね。人間に秘められた欲望と孤独、表と裏。日常の世界からラブホテルという非日常に一歩足を踏み入れると、人間が本当の意味で裸になるということを浮き彫りにした人間模様が面白い。
お客として、ヌードを撮る男女や介護に疲れてしまった夫婦、不倫カップル、行き場をなくした女子高生と高校教師などが訪れるんですが、これらの人たちの音声はダクトを通して従業員たちに丸聞こえ。その話の内容を主人公含む従業員たちが盗み聞きしているという設定です。ラブホという施設が、隠された本音が交錯する場所として描かれているのが素晴らしかったと感じました。
明らかになる登場人物たちの複層的な悩みに共感したり、自分なりにかみ砕いたりすることで、私たちも自分を振り返ることができる映画になっていると感じました。
もちろん、派手なアクションなどがある映画ではないんですけど、登場人物の繊細なしぐさや言葉の端々に思いの揺れが現れるんです。また、セリフ量も多い方ではなく、間で見せる部分もある。この人こう思ってたんだという空気感で見せていく映画なので、その余韻をぜひ感じてほしいです。
前橋市長も、この密会に至るいろいろな思いがあったんでしょう。何げなく生活しているすべての人が、皆何か葛藤や悩みを抱えながら生きているんだと再確認させられる一本です。この機会にぜひご覧いただきたいです。












