年の瀬も〝田久保劇場〟となりそうだ。静岡・伊東市長選が12月7日告示、14日投開票で行われる。学歴詐称疑惑をめぐる混乱で失職した田久保真紀前市長は出直し選に出馬の準備を進めているとみられ、元伊東市長の小野達也氏やNHK党の立花孝志党首ら6人以上の候補者が参戦するお祭り選挙になる公算だ。田久保氏は新語・流行語大賞が追い風となる可能性も出てくる。

 学歴詐称疑惑で田久保氏は、先月31日に臨時議会で2度目の不信任決議案が可決され、同日失職した。市長選への出馬は「支援者と話しながら自身と向き合って決めたい」と話していたが、4日に「ありがとうございましたの気持ちを一人でも多くの方に伝える」と市内での街頭活動を始めた。

 今年5月に市長に当選した田久保氏は2か月後に学歴詐称疑惑が持ち上がり、「卒業していた」「除籍になっていた」とドタバタ。公選法違反での告発や百条委員会の設置で一度は辞職の意向を示すも撤回し、〝田久保劇場〟はワイドショーでも取り上げられ続けた。

 すると、5日に発表された「現代用語の基礎知識選 2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のノミネート30語に「卒業証書 19・2秒」が入った。これは田久保氏が議長や副議長に「卒業証書をチラ見せした」との報道に「チラ見せではなく、約19・2秒、見ていただいた」と釈明したことで、お茶の間やネットをざわつかせたものだ。

 ノミネート30語のうちで政治家が直接絡んでいるものは、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」と田久保氏の「卒業証書 19・2秒」だけ。選考委員を務める漫画家のやくみつる氏は8月にラジオ出演した際、田久保氏の「チラ見せ」が若者の間で流行していることから、田久保氏を有力候補に挙げていたが、その後も下火にならなかったことで、30語に選出。いかにパワーワードだったかの証左ともいえそうだ。

 12月の市長選でもこの卒業証書が田久保氏の命運を握ることになる。現在も田久保氏の弁護士事務所の金庫に保管されているとみられ、かたくなに公開を拒否している。出馬意向を示している立花氏は「(市長選で)横やりを入れるつもりはないが、見せる意思はないよう。多くの市民は納得できない」と話し、公開した場合は内容いかんによっては、風向きは変わるとの見方を示している。

 新語・流行語大賞のトップテン及び年間大賞語の発表と表彰式は12月1日。「卒業証書 19・2秒」が受賞し、田久保氏が登壇するようなことがあれば、市長選へ向けてのインパクトは絶大だ。

 やく氏は前出のラジオで「田久保さんが暮れの顕彰式に来る。新語・流行語大賞の盾っていうのは、2つ折りの盾なんですよね。『見せていただけますか?』とか報道陣に言われて、チラッと見せるとかね」と話していたが、もし卒業証書をチラ見せするようなことがあれば…。〝田久保劇場〟の舞台は整いつつある。