自民党と日本維新の会の連立政権発足に向けた政策協議が進み、21日の首相指名選挙で自民党・高市早苗総裁が選出される見通しだ。公明党が連立離脱を表明してから首相就任が危ぶまれる時期もあったが、首相就任への意欲を隠さなかった高市氏の執念が実った格好だ。それほど高市氏の執念はすさまじいものがあり、首相になるために熱烈なファンとして有名なプロ野球・阪神についての話もあえて封印しているという。
高市氏は今月4日、自民党総裁選に勝利し、新総裁に就任。そのまま順当に首相の座にも就くと思われたが、10日に公明党が連立政権からの離脱を表明したことで様相が変わってきた。一時は立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が、国民・玉木雄一郎代表を野党統一候補に擁立する動きもあったが不発に終わった。
その後、維新との連立協議が進み、高市氏の首相就任が濃厚となったが、こうなったのは「首相になりたい!」という意欲を隠さなかった高市氏の執念と言っても過言ではない。
実際に14日に行われた講演では「総裁にはなったが、首相になれないかもしれない女と言われている、かわいそうな高市早苗だ」と自虐的に話す一方「あきらめない。首相指名選挙の瞬間まで、ギリギリまであらゆる手を尽くす。絶対になってやると思っている首相になれたら、とにかく日本経済を強くする」と意欲を隠さず話した。
首相就任への執念は、いろんな面で表れているという。高市氏に近い関係者は「高市さんと言えば阪神タイガースの大ファンとして知られているが、首相就任を視野に入れるようになってからは、阪神ファンであることを積極的には言わなくなったんです」と明かす。
その理由は、一国を預かる首相という立場を考えてのものだ。「イチ議員や、閣僚でも総理大臣じゃなければまだしも、首相という立場で阪神ファンということを公言すると、阪神ファン以外の人にとっては面白いものではない。関西だけでなく〝日本の代表〟になるという思いから、あえて阪神ファンであることを口にしなくなったんです」(同)
自民党総裁選に出馬する際、親しみやすさをアピールするため、自分の趣味などを強調する候補者は多い。2020年の総裁選では、広島出身の岸田文雄氏がカープのユニホームを着て取材に応じたこともあった。この時の岸田氏は菅義偉氏に敗れた。実際に首相になったのは翌21年のことだった。
ただ、高市氏は総裁選に出馬しても、阪神ファンであることをアピールすることはなかった。今季の阪神は圧倒的な強さでセ・リーグを制し、クライマックスシリーズでもDeNAに4勝0敗(アドバンテージを含む)と圧倒し、日本シリーズ進出を決めた。もし〝親しみやすさ〟をアピールするなら今は絶好の機会に思えるが、そうしないのはやはり「阪神ファン以外を刺激したくない」という思いが強いようだ。
15日に行われた自民・維新党首会談では、大阪府知事を務める維新・吉村洋文代表から11月に予定されている阪神の優勝パレードに招待するという発言があったが、高市氏は笑顔を返すだけで出席するかどうか明言は避けた。「やはり阪神という一つの球団のパレードに一国の首相が出席していいのか、という思いがあるのでは」(同)
日本を預かる身になるためには、熱烈なファンであっても阪神ファンと公言しないと決めているのかもしれない。












