ついに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の総裁、韓鶴子(ハン・ハクチャ)容疑者(82)がお縄となった。便宜を図ってもらうために、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権側に金品を提供したとして、政治資金法違反などの疑いでソウル中央地裁は23日、証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状を発付。韓国の特別検察官は同日、韓容疑者を逮捕した。

 同容疑者は逮捕前、「韓国の政治に関心はない」と言い、容疑を否認している。

 旧統一教会は1954年に故・文鮮明総裁が創設。2012年に文氏が死去すると、妻の韓容疑者が実権を握った。息子たちとの権力闘争を経て現在まで教団を支配。世界で約300万人の信者がいるとも言われる。

 旧統一教会と尹前大統領との〝政教一致〟疑惑の捜査が加速している。

 韓容疑者は2022年4~7月、当時の教団幹部を通して、尹氏の妻、金建希(キム・ゴンヒ)被告=あっせん収財罪などで起訴=に高額のネックレスやバッグなどを贈った疑いが持たれている。金被告は受け取ったとして8月に逮捕されていた。

 また、韓容疑者は同年1月には尹氏の側近で、保守系政党「国民の力」の国会議員の権性東(クォン・ソンドン)容疑者=政治資金法違反容疑で逮捕=に1億ウォン(約1060万円)を渡した疑いもある。特別検察官は、1億ウォンが尹氏の大統領選資金だったのか確認する方針だ。

 さらに今回の逮捕容疑には含まれていないが、韓総裁は、2023年3月に権容疑者を国民の力党代表に当選させるため、信者約11万人を集団的に党員登録させ、全党大会に介入しようとした容疑もある。金容疑者が教団側に集団入党を要請したかどうかも捜査中だという。教団と国民の力は疑惑を否定している。

 教団は23日、逮捕を受け「裁判所の判断を謙虚に受け入れる。今後の捜査や裁判手続きに誠実に取り組み、教団への信頼を回復できるよう最善を尽くす」とのコメントを出した。

 韓国事情通は「韓容疑者は息子との訴訟敗訴、安倍晋三元首相銃撃事件後の日本での旧統一教会の地位低下など、危機を打開するため尹氏に接近したと見られます。旧統一教会には『国家は教団により運営されるべき』という〝政教一致〟の考えがあります。尹氏の大統領選時、韓容疑者が『私の教えを受け入れる候補が大統領になるべき』と言ったそうです。特別検察官は、韓容疑者の旧統一教会が尹前政権と政教一致を進めたと見ており、国家の一大事だったとして徹底捜査する意向です」と指摘する。

 大きな局面を迎えた旧統一協会は、いったいどうなるのだろうか。