学歴詐称の疑いが指摘されている静岡県伊東市の田久保真紀市長に対する不信任決議案が可決され、議会解散に踏み切った。これを受けて市選挙管理委員会は11日、市議選(定数20)を10月12日告示、19日投開票とする日程を決めた。

 市議選を経て、新しい議員による議会で3分の2以上の議員が出席し、再び不信任決議が過半数で可決→首長は失職するというのが通常の流れだ。ところが、そうならない可能性もあるという。

 元逗子市長(神奈川県)、元衆議院議員で現在「長島法務コンサルティング行政書士事務所」代表行政書士の長島一由氏は、地方自治法の盲点について警鐘を鳴らした。

 地方自治法の101条には「議会は長がこれを招集する」と定められ、地方自治法101条の2項、3項には「議会側(議員側)は長に対して臨時会の招集を請求」と記載されている。

 伊東市でも10月19日の市議会改選後直ちに、市長が臨時会を開催しない場合、制度上は、議長が臨時会を開催しなければならないと定められているため、議長が臨時会を開催できる。

 長島氏は「今回のケースでは改選後の市議会になるため、10月19日の改選直後の伊東市議会には議長がいません。伊東市議会側としては議長が不在のため、地方自治法101条第6項に基づいた議長による臨時会を開催ができないということになります。つまり、田久保市長は地方自治法上、2度目の不信任を阻止するために、臨時会の開催をせず、招集権を持つはずの議長を誕生させないということができてしまうのです」と指摘する。

 さらに「総務省自治行政局行政課にも念のため確認しましたが、田久保市長は臨時会のみならず、定例会を開催しなくとも法律上罰則はありません。また、伊東市の定例会会議規則上も年に4回定例会を開かなければならないと定められていますが、こちらも罰則はありません(伊東市議会事務局調べ)。田久保市長はこのようなカードを切ることが物理的にはできてしまうということだけは、しっかり頭に入れて、伊東市民はもちろん、各関係機関も備える必要があります」と述べた。

 実際に臨時会も定例会も全く開かないことは現実的に考えにくいが、少しでも時間稼ぎする可能性はある。

 伊東市のボーナス算定基準日は12月1日(支給日は12月10日)。この日まで田久保市長が居座れば、月額85万5000円(別途退職金加算分あり、毎月38万4750円)の報酬に加えて、185万9625円の期末手当(伊東市職員課調べ)を手にすることが可能になる。