J1C大阪の元日本代表MF香川真司(36)によるX(旧ツイッター)の投稿が、大きな注目を集めている。メディアに出演するサッカー界OBに対して、現役選手の立場から提言。改めて〝伝える側〟の表現や配慮の仕方が問われる中で、元日本代表MF前園真聖氏(51=本紙評論家)は今回の問題に言及。解説者の立場として、あるべき姿勢を示した。

 香川は20日に自身のXで、DAZNで配信された「内田篤人のFOOTBALL TIME」に日本代表DF冨安健洋が出演した際の動画をリポストした上で、こう思いをつづっていた。

「前から思っていたけど、メディアに出て発言するなら誰であれ言動に責任はあると思う。現役を引退し言葉を発する仕事につくのであればアスリートへのリスペクトは持つべきだし、自分の考えや、自分のサッカー人生を小馬鹿にするような言動をされるとすごく残念に思う。次世代の為にもアスリートの価値が高まる報道や言動を今後期待したい」

 現役、しかも日本代表のレジェンド級の選手が、あえてこのような発言をするのはあまり例がない。それだけに、SNS上などでは共感の声など大きな反響を呼んだ。

 前園氏もサッカー界のOBとして数多くのメディアに出演する立場として、元日本代表10番の〝訴え〟を重く受け止めた。「前置きとして僕は実際のことはわからないというのはあります。ただ、自分自身もいろいろな場面で(現役選手に関するコメントを)求められますし、僕自身も気をつけなきゃいけないと思っています」

 その上で、メディア出演時に念頭に置いていることを強調。「やっぱり現役の選手が一番です。引退した選手は現役を退いているわけですから、現役選手に対するリスペクトを忘れてはいけないと思います。代表選手でも代表に入ったことのない選手でも同じです」と力説した。

 また、前園氏はコメントする際に当該選手との関係性も考慮に入れているという。「例えば僕だったら、香川選手の年代の選手たちとは、あまり関わりがないじゃないですか。年代が違いますので、そういう選手たちのコメントはすごく慎重になります。やっぱりコメントするにしても、その選手との関係性などを常に考えながら僕は話すように意識しています。ほかの方の考えはわかりませんが、僕はそこを大事にしています」

 今回の件では香川、内田の双方ともに、連絡を取ってすでにわだかまりはないことを明らかにしている。とはいえ、香川の勇気ある発信が時間とともに風化し、同じようなことが繰り返されては意味がない。

 それだけに前園氏は「今回のことは香川選手に関わる個別のことというより、サッカー界全体のことだと感じています。現役選手がこのような思いをすることのない、より良いサッカー界になっていければと思います」と人ごとではなく、選手、関係者が共有していくべき事例との見解だ。香川の発信が、サッカー界で金言となるか。