日本レスリング協会の富山英明会長(67)が、友人の元横綱・白鵬翔氏(40)が日本相撲協会を退職した件について見解を述べた。

 白鵬氏の父ムンフバトさん(故人)がレスリング五輪銀メダルという縁もあり、ロサンゼルス五輪フリー57キロ級金メダルの富山氏は白鵬氏が初来日した頃からの付き合いで、長年にわたり親交を深めてきた。

 角界を離れる意向だったことは「全然、聞いていなかった」といい「やっぱりあれだけ貢献した人。もったいないし、相撲界にとっての損失と思う。国籍は(日本に)変わったけれど、外国人は外国人と(見られる)。そういうこと、言ってる時代じゃない。逆に(相撲協会の)中枢に入るべきではなかったか。そのほうが健全なことができたはず。もったいないですよ」と語った。
 
 白鵬氏が師匠を務めていた旧宮城野部屋は、不祥事の影響で昨年4月に閉鎖された。部屋ごと伊勢ヶ浜部屋に転籍となったが、1年が経過しても閉鎖措置が解除されない状況に耐えきれず、退職を決めた。これに富山会長は「ペナルティー(閉鎖)も、1年なら1年と期間が決められているならいいが、先が見えないから疲れてしまう」と理解を示す。

 ただ、9日の退職会見で大横綱は、協会への恨み言や批判を口にしなかった。富山会長は「白鵬は一切、そういうことは言わないから。こちらも一切言わないほうがいいと言っている。『相撲のために頑張る』と。それだけでいいと思う。みんな(白鵬の胸中は)知っているんだから。言わないことで、逆に白鵬の価値が高まった」とみている。

 白鵬氏は「世界相撲グランドスラム」構想を基に、アマチュア相撲の発展と五輪競技採用を目指す活動に取り組む考えを明かしている。富山会長は14日に都内のホテルで開催された白鵬氏の「応援パーティー」にも出席。レスリング界との協力関係については「特にはない」としつつ、逆に白鵬氏からは「余裕があれば、モンゴルのレスリングも応援していきたい」と言われたという。

 一方、21日に東京体育館で行われた明治杯全日本選抜選手権(東京スポーツ新聞格技振興財団協賛)には、レスリング出身の鳴戸親方(元大関琴欧洲)が来場し、表彰式のプレゼンターを務めた。白鵬氏が退職しても、レスリング界と角界の関係は変わらず良好のようだ。