◇杉村賢也(35)東京支部113期

 2025年前期適用勝率は4・12。7月から適用される2025年後期勝率は初の5点台となる5・25。そして、5月から級別審査期間が始まっている2026年前期勝率は6・10(18日現在)。まだ1か月半とはいえ、A級初昇格を十分、意識できる位置につけている。

 その要因について開口一番「将さんのおかげです」とキッパリ。〝将さん〟とは2期上で年齢1学年上の先輩A1レーサー・安河内将。現在は佐賀支部の安河内はもともと同じ東京支部に所属しデビュー当初からの付き合い。杉村も約4年前に家族で九州(宮崎県)に引っ越したことで急接近した。

「教えてもらったことがようやくできるようになってきた。今は将さんが師匠と思ってます。ペラだったり走る位置だったり、将さんのレースを見て勉強しています。エンジンもだいぶ出せるようになってきました。道中で着をキープできたり、抜けたりするようになりました。今はレースが楽しいです」と充実の表情を見せる。

 どん底状態に沈んでいた時期もあった。「着を取んなきゃ取んなきゃ、ってずっと焦って…。メンタルもやられてレースするのが嫌な時もありました」と悪循環に陥っていた。

 苦悩する杉村を見た安河内はこんな言葉をかけた。「結果が出てないけど、徐々にできるようになるから焦んな。お前は〝遅咲き〟だから」――。この言葉が勇気の源となった。

 4月には初めて〝A級勝負駆け〟を経験。「自分でもA級が届く位置に来たのかなと。結果ダメだったけど、その取り組みで成長できたと思います。一走もムダにしないようにペラ調整を必死にやるようになって今はそれがクセになっています」と勝負駆け失敗の経験が妥協を許さない姿勢につながった。

 家族の存在も大きい。長女(小6)、次女(小1)、三女(3歳)、長男(2歳)と4人の子宝に恵まれた。「初めて息子ができた時に意識が変わりました。このまま中途半端に選手をやっていては父親として恥ずかしいなと…。男の子って父親を見て育つじゃないですか」。愛息にカッコいい父親の背中を見せるためにも奮闘している。

 もちろん目標はA級初昇格。「将さんには『今期はA2を目指したら勝負駆けになるからA1に飛び級するくらいで一走もムダにしないように』と言われてます。今年中に初優出もしたいです」。こう力強く語る杉村の目はギラギラと輝いていた。