オーストラリア・メルボルン郊外の路上で、カンガルーと犬がケンカする事態がぼっ発した。地元民によって撮影され、SNSで拡散し、ニュース番組も大きく扱った。

 しかし、その背景にある悲しい事情が明らかになり、野生動物保護活動家が「激怒」している。豪州メディア「ニュース・ドット・コム・au」が先日、報じた。

 カンガルーはボクシングのような殴り合いのケンカをすることで有名だ。カンガルー同士はもちろん、人間とも、そして犬ともケンカする。メルボルン郊外の環状交差点の前で、白黒のオーストラリアンシェパードとケンカしている場面を地元運転手が撮影した。テレビも「オーストラリアらしい風景」と伝えた。

 しかし、地元のカンガルー保護団体「スース・ルース」を運営するスー・ジョンストンさんは別の見方をする。20年間、カンガルーの救助に携わっており、この動画を見つけた時「激怒した」という。

 ジョンストンさんはフェイスブックで「私はこの動画に出てくるカンガルーのナイジェルを4年間、知っています。地元に愛されています。それなのにナイジェルの事件と、それが受けた衝撃的な報道には本当にがっかりしています。ナイジェルは草と樹木が生い茂るこの場所を頻繁に訪れていました。しかし、事件以降、姿を消しました」と明かす。

 動画に映っていない部分として、カンガルーと犬のケンカを見るため、人々は車を止めた。ナイジェルは、犬と車と人に囲まれていたことになる。ナイジェルが犬から逃げる際に車にぶつかり、足を負傷。そこで飼い主が犬に追いついて、両者を引き離し、お互い大ケガはしていないように見えた。

 しかし、ナイジェルはミオパシー(筋疾患)を患った可能性がある。その結果、クレアチンキナーゼ値が上昇し、酵素が筋肉を分解し、最終的には腎臓に毒性を与えることもある。

 ジョンストンさんは「ナイジェルが足のケガでストレス性筋障害を引き起こし、命を落とす危険性が高いのではないかと心配しています。もしナイジェルが本当にあの犬を傷つけたかったなら、あの犬は生きていないはずです。ナイジェルは優しいんです。ただ自分を守ろうとしていただけなのです」と指摘した。