【トランスフォーマー/ルー・リード(1972年】
1960年代末期に前衛的ロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドで当時のロックシーンに衝撃を与えたルー・リードのセカンドソロアルバム。当時「ジギー・スターダスト」として全盛期にあったデビッド・ボウイとギタリストのミック・ロンソンがプロデュースした名盤。悪いわけがない。
ヴェルヴェット時代には退廃的かつジャンキー的要素が強かったルーだが、このアルバムは同じような世界観を基盤に持ちながらも、ボウイがサポートに回ったことで楽曲の素晴らしさはソロアルバムの中でも群を抜いている。捨て曲は1曲もない。
冒頭の「ヴィシャス」の凶暴性、穏やかな曲調ながらも、希望と絶望が背中合わせになったトーンでズシリと胸に響く「パーフェクト・デイ」、ボウイがコーラスに入って屈折した愛を歌う「サテライト・オブ・ラヴ」、そして不動の名曲「ワイルド・サイドを歩け」など…。約37分間、引き込まれるように聴いてしまう。
異端者、ジャンキー、LGBTを歌う姿勢はヴェルヴェット時代と変わらないが、とにかくメロディーが素晴らしい。あまりに有名な「ワイルド・サイドを歩け」は静寂の中でハービー・フラワーズが突出したベースラインを弾き、ルーは叫ぶこともなく静かに異端者であることを肯定する。ボウイ同様にもはやグラムロックというジャンルを超えたアルバムである。この曲だけでもぜひアナログで独特の音空間を体験してほしい。
話はそれるがルーだけでなくイギー・ポップのサポートに回り、名盤を作り上げ続けたボウイは、やはり時代を象徴する突出した才能の持ち主であった。












