ミャンマー軍事政権は1日、3月28日に発生した中部マンダレー近郊を震源とする大地震の死者が2719人、負傷者は4521人に上ったと明らかにした。また、隣国タイでも死者は20人、行方不明者は約80人に上っており、捜索が続いている。そんな中、バンコク市内で倒壊した高層商業ビルを巡って、新たな懸念材料が浮上しているという。
バンコクで倒壊した高層商業ビルを建設したのは、中国国営企業「中鉄」の現地子会社「中鉄十局」とタイのゼネコン「イタリアン・タイ・デベロップメント」の合弁会社だ。中鉄十局が初めて海外で手掛けるビルとして、33階建てで建築総面積は9万6000平方メートルを誇る。2020年に着工し、26年に完成予定で、タイでの象徴的なビルになると宣伝してきた。
ところが、耐震基準が厳格になる以前の古いビルさえ倒れていないにもかかわらず、最新の建設中ビルが倒壊したことで、法定基準を満たさない低品質の鉄筋が使われた疑いがあるとして、建設業者に疑惑の目が向けられているのだ。倒壊を受けて、中国は中鉄十局が施工していることについて、中国内でのネット検索に出てこないよう、情報統制しているという。現在政府の調査チームが調べている。
一方、倒壊したビルや中鉄十局について、さまざまな新情報が出ている。
タイメディア「タイガー」は1日、「倒壊したビルから中国人4人が不審な書類を持ち去る」と報じた。タイ警察は3月29日、倒壊したビルから許可なく書類を持ち出した疑いのある中国人4人を逮捕。4人は違法行為を認めたという。
中鉄十局は18年8月に資本金1億バーツ(約4億3650万円)で登録され、ビル建設プロジェクトの入札に勝利した。同社はタイの建設業界では比較的新しい企業だったため、この選定に驚く人もいたようだ。
その上で倒壊したビルから書類持ち去り事件が起きた。タイガーによると、中国人4人はバンコク知事の命令に違反し、許可なく事件現場に立ち入り、32セットの書類を現場から持ち去った。現地記者が警察に通報。警察はその後、現場近くで4人を逮捕した。4人は保険会社に金銭を請求するために書類を回収するよう命じられたと主張している。それ以上の詳細は明かされていないという。
また、中国事情通は「建物から採取された鉄筋サンプルの一部は、タイ鉄鋼協会による強度テストに合格していません。製造したのは、昨年12月に別の火災事故調査の際に鋼材の強度テスト不合格が発覚し、閉鎖を命じられたラヨーン県の中国系企業である疑いが持たれています」と語る。
何よりタイで騒がれているのは、中鉄十局とイタリアン・タイ・デベロップメントの合弁会社が、建設中のコラート高速鉄道に携わっていることだ。
「タイの政治家らが、コラート高速鉄道プロジェクトの調査を求めています。倒壊したビルを建設しているのと同じ合弁会社が手掛けているからです。中鉄十局の技術が耐震性があるかどうかを判断するために、徹底的な構造および規格の検査を受ける必要があると指摘されています」と同事情通は話している。
いったい、どうなるのだろうか。











