ミャンマーで28日に発生したマグニチュード7.7の大地震の被害はすさまじい。震源に近い中部マンダレーなど各地で30日、倒壊した建物の下敷きとなった人々の救出活動が続いた。隣国のタイの首都バンコクでは建設中だった高層商業ビルが倒壊し、多数の建設作業員が巻き込まれた。このビルは中国の国営企業が施工を手掛けていた。そのため中国国内では“情報統制”が始まったとの疑惑が持ち上がっている。
ミャンマーの軍事政権を率いるミンアウンフライン総司令官は30日、死者は約1700人、負傷者は約3400人だと発表した。国内だけでなく、中国やタイなどから集まった救助隊は捜索を急いでいるが、重機など機材の不足で救助が難航している。
一方、隣国であるタイのバンコクでは高層商業ビルが倒壊し、多数の建設作業員が巻き込まれ、30日も救助活動が続いた。救急当局によると、これまでに10人の遺体が収容され、約80人が行方不明となっている。
倒壊の瞬間を撮影した動画が日本のSNSでも拡散し、大きな話題になっているビルだ。動画では、まるで爆破解体したかのように、ビルが上から下にストンと垂直に落下し崩壊した。
香港メディア「星島日報」は30日、このビルについて中国国営企業「中鉄十局」が施工していたと報じた。中鉄十局が初めて海外で手掛けるビルは33階建てで建築総面積は9万6000平方m。これまで中鉄十局はタイでの象徴的なビルになると宣伝してきた。現在の進捗は30%ほどだという。
しかし、中国は中鉄十局が施工していることについて、中国内で情報統制しているようだ。同社はこのビルに関するSNS投稿を削除したようだが、それだけにとどまらない。
中国人ジャーナリストの周来友氏は「今回のビルが倒壊する動画が世界中のSNSで拡散された直後から、中国国内のインターネットでは『タイ、中鉄十局』などのキーワードで検索すると『404エラー』『表示できません』として、情報統制が行われていることが推察されます。また、これまでタイでの中鉄十局が行ってきた仕事を伝えてきた中国メディアの関連ネット記事も削除されており、政府による火消しが行われていると見られます」と語る。
タイはミャンマーと違い、地震が頻発するわけではない。また、耐震構造基準を満たしていない古いビルではなく、現在建設中の最新のビルだ。それにもかかわらず、倒壊した。しかも現在のところ、バンコクで倒壊したのは、このビルだけのようだ。
中国のネットユーザーからは「耐震性に問題はなかったのか」「建築基準をクリアした工法だったのか」などの声が寄せられている。
周氏は「中鉄十局を巡っては、関連会社の中鉄七局が昨年、建設していた安徽省での鉄道建設で安全基準に満たない資材を使用していたことが発覚し幹部が処分されるという事件も起こっていました」と指摘した。
そんな中で起きたバンコクでのビル倒壊は、隠しておきたいことなのだろう。












