肛門のトラブルに悩みつつも、我慢をしている人は意外と多いのではないだろうか。医療機関を受診したらどういう流れになるのか、大腸肛門科医の那須聡果先生に教えてもらおう。

 ――痔かも!?と思ったらどこを受診したらいい?

 那須 肛門科がおすすめです。もし、近所に肛門科がなければ消化器内科や消化器外科を標榜しているところへ。肛門科選びのひとつの参考にしてほしいのが「日本臨床肛門病学会」に入っているかどうか。肛門の病気に対し、熱い思いを持って診療している医師の集まりです。

 ――肛門科ではどういう診察をしますか

 那須 皆さんそこが不安ですよね。だいたい問診、視診、触診という流れになるかと思います。もちろん痛みが強い人には最初は触診を控えるなどケースバイケース。見る際の姿勢はズボンと下着を膝まで下げ、壁を向いて横向きで膝を曲げた状態で寝てもらいます。うちではブランケットもかけますね。ただ、大柄の方など体形によっては、足を組んであおむけになっていただくこともあります。

 ――痔はどういう治療法がある?

 那須 きれ痔やいぼ痔で症状が軽ければ、多くの人が軟こうで治ります。悪化している一部の人が手術を行います。手術に関してはやるべきケースと、そうではないケースがある。例えば、いぼ痔で排泄のたびに脱肛し、毎回手で戻す必要があり困っているという人でしたら手術を行いますが、脱肛はあるものの困っていないレベルだから手術はしないという人もいます。

 ――困っているかどうか、がひとつのポイントなんですね

 那須 その通りです。きれ痔を繰り返すことで肛門狭窄となり、ボールペンの芯くらいの細さしか広がらなくなり、下痢便くらいしか出ないみたいな人は困っているので手術をする…という感じです。

 ――痔ろうはどうですか

 那須 痔ろうは手術するしかなく、軟こうでは無力です。初期ならすぐに手術は終わります。ただ、範囲が広くなっていたりすると、大がかりな手術になります。

 ――症状がどれくらい続いたら受診すべき?

 那須 1週間以上続くようであれば受診してほしい。ただ、日に日に悪化するような肛門周りの腫れや痛みなどがある場合、膿んでいる可能性がある。基本的には膿を出す処置をしないと治らないので急いで受診しましょう。何十年も悩んでやっと来ました…とおっしゃる人も結構いますが、症状が軽ければ治療もスムーズなのは事実です。勇気を出して受診してみてください。

 ☆なす・さとか ウィメンズクリニック浦和院長。日本大腸肛門病学会指導医・専門医。群馬大学医学部卒業後、東京山手メディカルセンターなどを経て現職。悩みを打ち明けにくいプライベートパーツに関して不安を抱える人のために、寄り添った診療を行う。