参院選は大丈夫なのか――。安倍晋三元首相や岸田文雄前首相、NHK党の立花孝志党首ら政治家が襲撃される事件を受け、日本保守党の百田尚樹代表が危機感を募らせた。

 25日、国会内で会見を開いた百田氏は選挙活動中にナタで襲撃された立花氏の事件に触れ、「襲われた映像を見ました。非常に恐ろしい。一歩間違えていたら命を失っていたかもしれない。人の行動、言動、思想を封じてしまおうというテロは断固拒否し、否定する」と話した。立花氏とは親交があるだけに人ごとでない。

 殺人未遂容疑で逮捕された宮西詩音容疑者は犯行動機を兵庫県議が自殺に追い込まれたことを供述している。「かなり狂信的な男が犯行に及んだということだが、背景はまだ警察も調べているところで分からない。ただ『立花は非常に悪いヤツだ。人の生死にかかわった』というような報道もあると聞いている。一種、殺人行為を使嗾(しそう)するようなことがなかったとも言い切れない」

 百田氏は3年前の参院選遊説時に襲われた安倍元首相とも交友が深かった。「安倍さんもそうです。安倍さんに対しては『何を言ってもいい』『何をしてもええんだ』という空気がマスコミ、世論で醸成された部分があったかもしれない。そういう意味では立花さんはメディアあるいはネット空間による犠牲になった可能性もある」

 相次ぐ政治家へのテロで、課題は山積している。百田氏自身も立花氏の事件翌日に仙台で1000人を前にした街頭演説会を開いていたが、「緊張感もあった」と振り返る。

「参院選で多くの政党が選挙活動するが、以前のように聴衆の中に候補者が飛び込んで、握手をする、ハイタッチをすることが若干、制約があるかもしれない。聴衆と触れ合うのは日本の選挙制度のいいところで、美徳でもあるが、複数のテロ事件で、こういう空気がなくなっていくかなという感じは少しした」とポツリ。

 大臣や与党幹部が入る街頭演説では既に警察による警護態勢が敷かれるようになっている。日本保守党も警察と連携し、自主警備を強化する方針で、選挙戦の風景は大きな変革期を迎えることになる。