今度こそ…。大相撲春場所13日目(21日、大阪府立体育会館)、元大関の幕内高安(35=田子ノ浦)が幕内若元春(31=荒汐)を突き出して11勝目(2敗)。単独首位に立ち、悲願の初優勝へ大きく前進した。取組後は「こういう状況の中で相撲を取れるのは幸せなことだと思うし〝生きているな〟という感じがする。明日、あさっても勝ちたい」と意気込んだ。

 これまで何度も優勝争いをしながら、最後は涙をのんできた。2022年には2度の優勝決定戦の末、賜杯に届かず。前年21年春場所では、10日目の時点で後続に2差をつける独走から、急失速してV逸した。こうした悲劇が繰り返されてきただけに、角界内では高安を応援しつつ、初優勝には〝半信半疑〟のムードも漂っている。

 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「頑張ってほしい」としながらも、単独首位には「まだ全然」と懐疑的。「2つ差(からV逸)もあった。負けても決定戦だと思えば、楽なんだけど。考え方なんだよね。体を動かすのは気持ちだから。大関に上がったのだから、強いはず」と精神面の課題を指摘した。

 旧鳴戸部屋からの兄弟子・西岩親方(元関脇若の里)は「35歳で力は衰えてない。個人的には頑張ってもらいたい。何回も、あと一歩までいってますから」とエールを送るが…。悲運の男に、春は訪れるのか。