〝公約撤回〟か。大相撲春場所9日目(17日、大阪府立体育会館)、新横綱豊昇龍(25=立浪)が幕内一山本(31=放駒)のすくい投げに屈して4敗目。早くも優勝争いから脱落した。新横綱で3個の金星配給は61年ぶりの不名誉。今場所前には15日間の皆勤を宣言していたが、横綱経験者は「負け越したら出られない」とクギを刺した。
豊昇龍は初顔の一山本に左を深く差されると、強引な小手投げも不発。最後は相手のすくい投げであおむけにされた。新横綱で3個の金星配給は昭和以降では1964年春場所の栃ノ海以来、61年ぶり4人目のワースト記録。首位と3差の4敗目を喫して逆転Vも絶望的となった取組後は「今場所は勉強だな」と悔しさをにじませた。
その豊昇龍は、今場所前の番付発表会見で「何が起きても休場はしない。負けても休場はしない。最後(千秋楽)までやります。やっぱり、横綱としてやってるんで。僕がやらなくちゃいけない気持ちもある」と15日間の皆勤を宣言。さらに「相撲を取ることが僕の仕事なんで。仕事を休んでたら、意味ないでしょ」とまで言い切っていた。
この発言に対して、元横綱大乃国の芝田山親方(62)は「そういうことは言わないほうがいい。横綱は負け越したら出られない」とクギを刺す。同親方は1場所15日制以降では初の横綱で皆勤負け越しを経験。ただ、負け越しが決まったのは千秋楽でのことだった。もう一人の経験者、三代目若乃花も最後に負けて7勝8敗。仮に千秋楽よりも前に負け越しが決まれば、前代未聞の異常事態となる。
優勝争いが求められる地位の横綱は、成績不振に陥った時点で休場するのが通例。さらなる金星配給や黒星先行の事態となれば、15日間皆勤の〝公約撤回〟も現実味を帯びてくる。やみくもに出場を続ければ、進退問題にもつながりかねないからだ。果たして、豊昇龍は千秋楽まで土俵に立ち続けることができるのか。横綱デビューの場所で、いきなり正念場を迎えた格好だ。












