カーリング日本選手権(神奈川・横浜BUNTAI)の女子で4年ぶり3度目の優勝を果たしたフォルティウスは、逆境を力に変えた。

 フォルティウスは2011年から北海道銀行とスポンサー契約を締結したが、22年北京五輪日本代表候補決定戦でロコ・ソラーレに惜敗した直後の21年11月末で契約が終了した。26年ミラノ・コルティナ五輪でのリベンジを目指してクラブチームとして再スタートを切った一方で、スポンサー集めに苦戦を強いられた。

 リード・近江谷杏菜は「最初はスポンサーもゼロで所属先もなかった。7か月くらいは自分の貯金を切り崩しながらだった」と回想。関係者によると、スポンサー契約を締結しても短期間で終了したケースもあったという。

 それでも、選手たちはあきらめなかった。拠点を置く北海道の企業を中心としたサポートとともに、23~24年シーズンにはクラウドファンディングで海外遠征の費用を捻出。目標金額を770万円に設定したところ、想定を超える約1000万円が集まった。

 サード・小野寺佳歩は当時の心境を本紙に「どんどんチームの経験値を上げていきたい中で、長期間のカナダ遠征を必要としていた。でも資金面が足りなかった。どれぐらい応援してくれるか正直わからなかったし、不安もあったけど、想像よりも多くの人が応援してくださることを知った。本当にチームとしてもすごくパワーになったし、うれしかった」と明かしていた。

 24~25年シーズンもクラウドファンディングで約830万の支援を受け、カナダ遠征で海外のチームと数多くの実戦を積んだ。スキップ・吉村紗也香は「なかなかうまくいかない試合もあったけど、いろんなことを学んで、すごく収穫の多いシーズンになっている」と感謝。ミラノ・コルティナ五輪への道をつなぐには日本選手権での優勝が必須だった中、決勝ではかつてスポンサー契約を結んでいた北海道銀行を8―7を下し、ミラノ・コルティナ五輪代表候補決定戦への進出を決めた。

 直近では3月の世界選手権(韓国)で日本代表としてミラノ・コルティナ五輪の国別出場枠獲得に挑む。「まだ通過点。日本の五輪の権利をしっかり取りたい」と吉村。大きな壁を乗り越えたフォルティウスは、まだまだ強くなる。