エースの進化が止まらない。卓球の全日本選手権最終日(26日、東京体育館)、女子シングルス決勝は同種目でパリ五輪銅メダルの早田ひな(24=日本生命)が張本美和(16=木下グループ)を4―0で破り、3年連続4度目の優勝を果たした。2014~16年の石川佳純以来、同種目史上6人目の3連覇を成し遂げた早田は〝頭脳〟で弱点を補った。

 パリ五輪で負傷した左腕の状態は、万全とは言い難い。「試合をしてみてもしかしたら棄権になるかもしれない」。満身創痍で挑んだ早田だったが、強烈な両ハンドのドライブなどで張本を圧倒。「素直にうれしい。昨年の優勝とはまた違った感じで、今年は絶対優勝するという自信は持てなかったけど、最後は全てを出し切ろうと思えた。優勝したことよりも、全て出し切れたことのうれしさが勝っている」と声を弾ませた。 

 パリ五輪後に4日間で6試合を消化したのは今回が初めて。「毎日、感覚が変わってしまう。昨日できていたことが、今日できなくなることもある。でも、そこに自分自身がついていかないと。自分の中で矛盾が起きてしまうと、試合どうこうではなくなってしまう」。練習時間が減った分、戦術や技術に関する動画を見る機会を増やし、以前とは異なる形で己を磨いてきた。

 パリ五輪後の自分は、パリ五輪前の自分と違う。「あきらめるところはあきらめる。できないところを必死にもがいたとしても、できないものはまだできない」。ストレートで勝つにはどうしたらいいのか。相手の読みをどうしたら外せるのか。競技内外で頭をフル回転し続けたことで「私生活から、本当にいろんなところも細かい調整や配慮は昔よりもうまくなった」と新スタイルを確立した。

 5月には世界選手権個人戦(カタール・ドーハ)が控える。「目標としては前回(2023年)の銅メダルよりも上には行きたいなとは思っている」と口にするも、まずは左腕の完治が最優先だ。「ここから上がっていくだけ。しっかりケガと向き合いながら頑張っていきたい」。日本のトップに君臨する絶対女王は新たな境地に降り立った。