――ちょっと質問の角度を変えます。「美しいからモテる」のか「モテるから美しい」のか。どっちが先?
紗倉 これは難しいですね。両方あると思います。やっぱり美人は性格がいいって言われてるんですよ。それはやっぱり周りからずっとかわいいって言われてきて、待遇が良かったから心も腐らず、人に対しての性格も良く、それゆえ美人ですっていう方もいます。一方で、美しくなりたいと頑張っている子が「かわいいね」と言われたことで自信を持ってより美しくなっていくケースもある。褒められて育つタイプの人もいるので、本当に両方ありえるなって思います。
――男性として今後は「かわいい」というポジティブ言葉を積極的に使っていきたい
紗倉 ところが「かわいいね」っていわれること自体が中途半端なかわいさだっていう意見もあるんですよ。
――なにゆえに
紗倉 親しみをもたれやすい、愛嬌があるってことイコール圧倒的かわいさではない。「ちいかわ」を見ているときみたいなカワイイもあって、美しいじゃなくかわいいににショックを受ける子もいます(苦笑)。
――「かわいい」と「美しい」も異なると
紗倉 そうですね。感覚でいうと、富士山を見て「美しい」とか宮古島の海を見て「美しいね」っていうのが万人が美しいと認めているじゃないですか。それに比べると「かわいいね」ってちょっとあいまいというか、人によっては「ブスだね」って受け止めるし、美ではないことで悩むこともあって。だから男性から言われるとちょっとむかつくときがあるんです。ほんと難しいですね(笑い)
――女子会だとお互いにあんなに「カワイイ!」を連呼しているのに!?
紗倉 「かわいいね」の価値が変わるので女子が言い合うのはいいんですよ(笑い)。「美しいね」は(男性の口から)あんまり出てこないじゃないですか。だからもし「美しい」って言われかたをすると、すごいへへんって誇らしくなりますよ。
――美もかわいいも褒め言葉も難解すぎる…。美の本質を考える貴重なお時間ありがとうございました!
紗倉 そうした矛盾だったり息苦しさ、(他人と)比較し続けられる心境を描いた作品が「うつせみ」なので、いろんな方に読んでいただけたらうれしいです。
【担当編集者の目】美容整形をくり返す79歳のばあちゃん、という衝撃的な場面から始まる本書。
「見られる」ことを仕事とするグラドルの主人公と周囲の女性たちの<痛み>は、SNSなどで誰もが見られ、ジャッジされる現在、人ごとでなく迫ってきます。そんな切実な物語を、ほのかなユーモアに包んでクールに描く紗倉さんの筆力にしびれました。(講談社 文芸第一出版部・見田葉子)














