3月13日からマスクの着用は屋外、屋内を問わず個人の判断に委ねられたのにもかかわらず、なかなか「脱マスク」が進まない日本。それから1か月以上たったが、各種調査ではマスク着用率が80%を超えているものがほとんどだ。マスクが習慣化してしまったことで、素顔をさらすことに抵抗を持つ若者が多いという。
外見や身体的特徴をもとに人を差別する「ルッキズム」が社会問題として認識されるのに、なぜ若者の顔に関する悩みは深刻なのか? 形成外科・美容外科医のドラゴン細井氏に話を聞いた。
今年2月、高校生をターゲットにしたとみられる美容整形の電車内広告に批判が集まったが、細井氏は美容整形を希望する人の「若年化が進んでいることを懸念している」という。
「昔だったら成人してから実際に整形をしようと考える人が多かったんですけど、今だったら小学生や中学生で整形することを考えている。過度に加工が効いた写真を含めて結局、SNSでキレイすぎる非現実ばっかり見てしまって、『(それらに比べて)なんで自分の顔は、体形はこうなんだろう…』って苛まれてしまうんですよね」
細井氏の「アマソラクリニック」のホームページ「よくある質問」には、「中学生ですがカウンセリングできますか?」「高校生以上の方のみ受け付けております」と記載している。美容整形したことを赤裸々に語る著名人やインフルエンサーが増えている影響も少なくない。
「こういう人もいるけど私は私だよねって客観的に俯瞰できる子だったらいいんですけど、まだそこまで精神的に発達してないと『なんで私は…』ということになって、やっぱりメンタルに大きな動揺や亀裂が入っちゃうんですよね。で、美容クリニックって当たりはずれがすごい大きいので、低クオリティーな所に行ってしまうと低品質な手術を高額でぼったくられてしまうんです」
細井氏のモットーは明瞭な料金と正確な技術と知識で美容業界を健全化していくこと。多くの患者を見る中で〝整形沼〟にハマってしまう人にも直面してきたという。
「これは本当に難しい問題です。止めてあげたいんですけど、止まらない場合もあって、そういった方を放流してしまうとどうなってしまうかというと結局、他のクリニックで(整形手術を)やってしまうんですよ。先ほども言ったように、劣悪なクリニックへ行くと取り返しがつかなくなるから、当院でなるべくギリギリのラインを保ちつつ、診てあげたほうが安全だと感じる子が結構いるのも事実です」
当然、美容整形によって幸せを手に入れる人もいる。だが、インフルエンサーがクリニック側からの案件で受けた施術をもとに垂れ流す一方的な情報によって気軽に自分の顔を変えてしまうことなく、その先にどんなリスクがあるのか、一度立ち止まってみることも必要だろう。













