「光があるところでは影も強くなる」というのはドイツの文豪ゲーテの言葉である。受験シーズンで見事合格を勝ち取り、新生活に胸を躍らせる人がいる一方で、不合格で苦汁をなめた人もいるはずだ。落ち込んでいる人たちのために、「アマソラクリニック」院長で医学部受験塾「MEDUCATE」代表のドラゴン細井氏に“勉強の極意”を聞いた。
――大学受験に根性は必要か
ドラゴン細井(以下細井)まず基本的に大学を受験する人って野球とかサッカーとか特定のスポーツ種目と違ってかなり多いんです。その中で効率とか理論ももちろん大事なんですけど、医学部受験なんて特に倍率が10倍以上になってくる勝負なので、そりゃ必要ってところに帰結しちゃいますよね。運転免許の試験とか「何点以下を落としますよ」みたいなものだったら根性論なんていらないんですけど。
――わかっていても肝心の“やる気”が出てこない
細井 思春期には性格とか年齢によってそれぞれみんなやりたいことがあると思うんですけど、自分の好き放題やり続けて成功する人がいるかって考えると、結局僕ら先輩たちが歴史として証明しているわけじゃないですか。学生時代遊んでいただけで仕事で成功した人はいないと思います。子供はバカじゃないんでいつかは大学受験が訪れるとわかっているんです。だからその子がなりたいと思っている人物像を身近に置いてあげることが、親としてはすごい大事かなと思います。
――例えばドラゴン細井になるとしたら
細井 まず医師免許取らなきゃいけないんですよ。で、医学部に行くためには渋谷幕張(=細井氏の母校、偏差値76)レベルの中高に入って、市谷の駿台で一浪しなきゃいけないですよね、これは完全に僕の話ですけど(笑い)。でも、そういうロールモデルがいるとわかりやすいってことなんですよ。
――自分の先輩を見ることも大事
細井 僕の場合は中学高校や予備校で医学部に行く先輩を間近で見た。でも実際に合格した人と触れ合ったりすることができない環境の子は、地元の集団授業の塾よりもオンライン個別指導のほうが向いているとは思います。
――失敗した人にはどう声をかけるべきか
細井 失敗するのには必ず理由があるわけで、本人たちもほとんどの人がわかってると思うんですよね。「誰もが受かると思っていたけれど失敗した」なんて人も実際いるけど非常にまれ。で、僕らプロの合否の読みは外れないことがほとんどなので、受験直前になる前から「このままだとヤバイよ」「来年も見据えないと」と保護者の方も交えて話をさせていただいていることが多いです。
――親が子供のやる気スイッチを押すことはできるか
細井 その子自体をよく知るってことが大事。例えば今ゲームしている子がいて、彼は本当にゲームがしたいのか。たぶんゲームしたいけれども、クラスのみんながやっているからとか、認められたいからかもしれない。それで「将来的に自分が損していいのか?」と問うと「損はしたくない」っていうんです。じゃあ1日ゲームするごとに年収が5万円減ってますとかちょっとでも具体化して伝えてあげることが大事だと思います。
――それはドキッとしそうだ
細井 プロゲーマーになるんだったらそれで稼げるし全然いいんですけど、そこまでの才能もないのにあなたの時間を使うこと自体がむちゃくちゃロスだよって数字で説明してあげる。彼らは自分でも罪悪感だったり背徳感の中で遊んでいる。このままじゃヤバイってわかってるけどなかなか体が動かないのが思春期なので、そこをくみ取りつつ、変われるように仕向けてあげるのがいいかと。
――細井先生は浪人時代も遊んでたのに?
細井 あー、ゴリゴリ遊んでましたね(笑い)。親からは常に「人生終わる」みたいなこと言われてましたよ。あるタイミングで「オレやるわ、行くわ東大」って勉強を始めましたけど…その話は長くなるのでまた今度!
☆どらごん・ほそい 本名・細井龍。1988年、千葉県生まれ。形成外科医・美容外科医・医学部受験塾塾長。渋谷幕張高校から千葉大医学部卒。JR東京総合病院で初期研修、がん研有明病院形成外科で後期研修医。2020年「アマソラクリニック」を開院。医学部受験塾「MEDUCATE」代表。ユーチューブ「令和の虎」など出演多数。












