UMAの日本代表であるツチノコを追い続けてきたドキュメンタリー映画監督の今井友樹氏が9年をかけて最新作「おらが村のツチノコ騒動記」(18日、東京・ポレポレ東中野他全国順次公開)を完成させた。いったい、なぜいまツチノコなのか? 今井氏に聞いた。
今井監督の故郷である岐阜県東白川村はツチノコ遭遇報告が多いことから、村を挙げて本気で捜索を続けていることで知られる。5月3日には「第31回 つちのこフェスタ2024」が開催され、村の人口よりも多い2500人が大捜索を行った。監督も参加した。
今井監督は幼少期に、ツチノコの存在を信じていたが、故郷を離れてから、その気持ちが冷めていったという。何を失ってしまったのか、本当に大切なものは何なのか。
今作は9年をかけて、日本全国に残るツチノコ伝承や目撃談を取材・検証し、誰も見たことがないツチノコの世界を描き出していった。ツチノコがなぜ今も全国で愛され続けているのか、その正体に迫った内容だ。
今井監督は「ツチノコの目撃者たちを取材してみると、驚きの連続でした。取材当初は、僕もスタッフもツチノコなんていないと思っていました。しかし、直接おじいちゃんおばあちゃんたちからツチノコの目撃談を聞くと、その話のリアリティーがすごいんです」と語る。
取材対象者からは、えたいの知れないものを前にした時の驚き、戸惑いの様子がありありと伝わってきたという。
「それに皆さん、素朴で良い人ばかり。決してウソをつく人には見えません。ツチノコは『いない』と気持ちが冷めていた自分自身の気持ちの方が心が狭いというか、想像をかき立てられる話でした。だんだんと、僕らも『これは何かいるな』と確信するようになりました」(同)
そもそも今井監督自身、小学4年生の時にツチノコらしきものを目撃したと明かす。
「登山の帰り道で登山道の斜面の石をはがしながら友人と遊んでいた時です。はがした地面のくぼみの中に黒いメガネケースくらいの物体を発見しました。最初は何だか分かりませんでした。持っていた枝で突っつくと動き出し、動いたはずみでコロコロと自分の足元に転がってきたのです」
残念ながら捕まえることはできなかった。
「僕らはとにかく驚き、慌ててその場から逃げ出しました。というのも、ツチノコはコロコロと転がってくるという話は、祖母に聞かされていましたから。あの時、引き返していればと何度思ったか分かりませんが、当時は恐怖の方が先立ちました。とにかく変なものを見たという印象だけが残っています」と今井監督は振り返った。
いるのか、いないのか。探してほしくないのか。ツチノコにはロマンがある。












