立ち技格闘技「K―1」創始者の石井和義・正道会館館長が11日、心不全のため死去した大相撲の元横綱で格闘技でも活躍した曙太郎さん(享年54)をしのびつつ、K―1転向直後の〝秘話〟を語った。
大横綱の訃報に接し、石井館長は「ビックリしました。闘病されていたのは聞いていましたが…」と無念さをにじませた。曙さんは2003年大みそかにK―1へ初参戦しボブ・サップと対戦。瞬間最高視聴率43%を記録し、「NHK紅白歌合戦」の視聴率を上回った。試合は開始早々、曙さんが突っ張りのようなパンチを打ちつつ前に出たがローキックなどを受けて徐々に動きが鈍くなり、最後はパンチで打ち抜かれ1ラウンド2分58秒でKO負けを喫した。
実はこの試合前、曙さんは石井館長の指導を求めて正道会館を訪れていた。当時を振り返り「何しろ体重が増えすぎていて、220キロくらいだったかな…。これじゃあ動けないと思って『横綱、200キロは切ってください』って言ったんです。本当は180キロまで落としてほしかったけど…。でも落とせなくて。それでスタミナが持たなかった」と明かす。
さらに当時、指導にあたった正道会館の関係者に「今からパンチを教えても間に合わないから、手のひらを使って突っ張りのように打つよう教えてほしい」と伝えていたという。開始当初に見せた打撃は石井館長の作戦だったのだ。そして「僕だったら試合も〝曙ルール〟で試合時間を1ラウンド90秒とか2分にしたけどね。そうなっていたらまた結果は変わっていたかもしれない。当時の運営の人たちはそこまで気が回らなかったんだろうけど…」と続けた。
最後に石井館長は「結果は厳しかったけど、紅白を超える注目を集めた。偉業ですよ。格闘技人気の礎を築いていただいた。お世話になりました。偉大な方でした。ご冥福をお祈りしたいです」と感謝を口にした。













