大横綱に待ち受ける〝いばらの道〟とは――。大相撲春場所(大阪府立体育会館)が10日に初日を迎え、15日間にわたる熱戦の火ぶたが切られた。一方で、土俵外では元幕内北青鵬(22)による暴力問題が発生した宮城野部屋の処遇を巡る動きが活発化。伊勢ヶ浜一門は4月から同部屋を閉鎖し、師匠の宮城野親方(39=元横綱白鵬)と所属力士を一門内の別の部屋へ移籍させる案を日本相撲協会に提示した。事実上の部屋消滅となれば、宮城野親方は大ダメージを負うことになりそうだ。
宮城野部屋の閉鎖が、いよいよ現実味を帯びてきた。同部屋を巡っては、元北青鵬が後輩力士に対する暴力行為で現役を引退。宮城野親方は「2階級降格」「報酬減額」の懲戒処分となり、師匠の権限も剥奪された。今場所は玉垣親方(59=元小結智乃花)が師匠代行を務めており、4月以降については伊勢ヶ浜一門で検討されていた。
この日、同一門は宮城野部屋を閉鎖とする方針を相撲協会に提示。宮城野親方を伊勢ヶ浜部屋付きとし、所属力士全員を大島部屋へ移籍させるなどの案が報告された。今後は八角理事長(元横綱北勝海)らが対応を協議し、春場所後には正式に処遇が決まる見通し。同一門は将来の部屋の復活も視野に入れているとはいえ、宮城野親方が閉鎖によって受けるダメージは計り知れない。
その一つが、新弟子を含めて20人いる力士数の減少だ。実際、今回の騒動を受けて、すでに宮城野部屋に所属する複数の力士が引退する意向を固めているという。別の部屋への移籍を受け入れた力士の中からも、閉鎖が長期間に及べば、さらなる〝脱落者〟が出る可能性もある。もちろん、その間は新弟子の獲得も休止状態となるだけに、勢力の大幅な縮小は避けられそうにない。
また、後援会の衰退も深刻な問題だ。角界関係者は「今後は会員の数もどんどん減っていくだろう。部屋の激励会、稽古見学、千秋楽の打ち上げパーティーもないとなれば、会員にとって何の魅力もない」と指摘する。小口の会員のみならず、有力なタニマチ(後援者)までもが離れていけば、経済的な損失は甚大。将来的に部屋を再興できたとしても、運営に支障が出る可能性もある。
さらに、文字通り部屋が〝消滅〟する危機にも直面している。現在の東京・墨田区内にある部屋は借家住まい。部屋が閉鎖されれば、高額な家賃を支払って維持する意味もなくなるだけに、退去が現実的だ。一方で、宮城野親方は東京・日本橋に部屋建設の予定地を確保しているものの、着工の先行きは不透明。せっかく部屋が復活しても、帰る場所がない…ではシャレにならない。
いずれにせよ、宮城野親方は相撲協会による正式な懲戒処分に加えて、数多くの実質的な〝ペナルティー〟を科せられた格好となった。果たして、歴代最多の優勝45回など数々の金字塔を打ち立てた大横綱は、ここから立ち直ることができるのか。今後の動向にも注目が集まる。












