4団体統一王者の井上尚弥(30=大橋)がルイス・ネリ(29=メキシコ)の挑戦を受ける5月6日のボクシング・世界スーパーバンタム級タイトル戦のチケット第1次抽選受け付けが9日に予定されている。価格帯は22万~1万1000円。会場の東京ドームでは34年ぶりのボクシング興行となるが、その当時はどうだったのか。

 34年前、1990年2月11日に東京ドームで開催されたのが、絶対王者だったマイク・タイソンがバスター・ダグラスに敗れる歴史的番狂わせとなった統一世界ヘビー級タイトル戦。同施設開業の88年に次ぐタイソンがメーンのボクシング世界戦となった。

 当時の取材によると、席割と料金は以下の内容だった。

 ゴールデンシート 15万円 2000席
 リングサイドS 10万円 2500席
 リングサイドA 7万円 2500席
 リングサイドB 5万円 1500席
 リングサイドC 3万円 1500席
 スタンドD 1万円 3万8000席
 スタンドE 5000円 1万5000席

 合計すると全部で6万3000席、完売なら13億円の収入となる。井上VSネリは、22万円のSRSから1万1000円の2階指定席まで席種が9あり、34年前の7種より細かく、かつ高い。枚数配分は不明ながら、タイソン対ダグラスを金額で上回りそう。90年には前座に世界戦はなかったが、今回はほかに3試合もあり、内容の濃さも異なる。

 もっとも、当時は日本で2度目のタイソン戦かつ相手が無名なため、試合が近づくにつれてチケットの販売不振が関係者の間でささやかれた。結局、観衆は5万1600人。当時の専門誌は「前回と比べて600人多いという発表にもかかわらず、意外に空席が目立っていた」。タイソンは自伝「真実」で、「半分は空席だった。ドン(キング)はお粗末なプロモーターだった」とかつてのパートナーをこき下ろしている。

 東京ドームにはボクシング界のVIPや芸能界からとんねるず、ボクシング通の香川照之、さらには横綱千代の富士ら著名人が集まった。米国の前大統領ドナルド・トランプ氏も訪れた。トランプ氏はボクシング興行にも関わり、タイソンの防衛戦が自身の施設で予定されていた。

 タイソンは前出の自伝で、泥仕合を演じた元妻とその母がトランプ氏を頼ったことに触れて「あれは失敗だった。トランプはボクシングの世界を知らなかった(中略)何ひとつ」とバッサリ斬っていた。