漫画「セクシー田中さん」の作者・芦原妃名子さんが亡くなったことを受け、小学館は8日に公式サイトで第一コミック局編集者一同の声明を掲載した。

 コメント冒頭で芦原さんの死を悼むと「芦原先生は、皆様が作品を読んでご想像されるとおり、とても誠実で優しい方でした。そして、常にフェアな方でもありました」(原文ママ、以下同)と人柄を振り返った。

 芦原さんが作品の映像化の際に修正等の要望を出したことに対し、コミックスで「恐らくめちゃくちゃうざかったと思います…」とつづっていたことも紹介。「著者の意向が尊重されることは当たり前のことであり、断じて我が儘や鬱陶しい行為などではありません。守られるべき権利を守りたいと声を上げることに、勇気が必要な状況であってはならない。私たち編集者がついていながら、このようなことを感じさせたことが悔やまれてなりません」とした。

 再発防止に向けて「著作人格権」重視の徹底を挙げた。「著者が持つ絶対的な権利について周知徹底し、著者の意向は必ず尊重され、意見を言うことは当然のことであるという認識を拡げることこそが、再発防止において核となる部分だと考えています」

 加えて、「他に原因はなかったか。私たちにもっと出来たことはなかったか。個人に責任を負わせるのではなく、組織として今回の検証を引き続き行って参ります。そして今後の映像化において、原作者をお守りすることを第一として、ドラマ制作サイドと編集部の交渉の形を具体的に是正できる部分はないか、よりよい形を提案していきます」とした。

 ドラマ制作に関する疑念については「ドラマ制作にあたってくださっていたスタッフの皆様にはご意向が伝わっていた状況は事実かと思います」とした上で「先生のご意向をドラマ制作サイドに伝え、交渉の場に立っていたのは、弊社の担当編集者とメディア担当者です。弊社からドラマ制作サイドに意向をお伝えし、原作者である先生にご納得いただけるまで脚本を修正していただき、ご意向が反映された内容で放送されたものがドラマ版『セクシー田中さん』です」と説明する。

 また、「そこには、ドラマのために先生が描き下ろしてくださった言葉が確かに存在しています。ドラマを面白いと思って観て下さった視聴者や読者の皆様には、ぜひ安心してドラマ版『セクシー田中さん』も愛し続けていただきたいです」と呼びかけた。

 読者に向けては「私たちが声を挙げるのが遅かったため、多くのご心配をおかけし申し訳ありませんでした。プチコミック編集部が芦原妃名子先生に寄り添い、共にあったと信じてくださったこと、感謝に堪えません。その優しさに甘えず、これまで以上に漫画家の皆様に安心して作品を作っていただくため、私たちは対策を考え続けます」とメッセージを送った。

 最後は芦原さんに向けて「それでもどうしてもどうしても、私たちにも寂しいと言わせてください。寂しいです、先生」と呼びかけた。