本来の姿を取り戻せるか。大相撲初場所2日目(15日、東京・両国国技館)、横綱照ノ富士(32=伊勢ヶ浜)が幕内若元春(30=荒汐)に寄り切られて金星を配給。腰痛による3場所連続休場から復活優勝を目指す矢先、序盤で痛恨の取りこぼしとなった。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は照ノ富士の敗因を分析。長期休場による影響を指摘した。

 まさかの黒星だ。照ノ富士は右を差せず、相手得意の左四つの体勢。上手も引かれて苦戦を強いられると、最後は若元春の寄りに屈して俵を割った。初日の白星発進から一転、2日目は痛恨の金星配給。4場所ぶり9度目の優勝へ向けてつまずいた取組後は、報道陣の取材に応じず沈黙を貫いた。この日の横綱の敗因は何だったのか。

 秀ノ山親方は「照ノ富士は左四つになっても組み止める自信はあったと思う。ただ、腰を密着できずに隙間ができたことで、若元春が中で自由に動ける形になった。万全な照ノ富士であれば、がっちり腕をきめて相手を浮かせるようにして寄れるところ。相手との距離感がつかみ切れず、まだ本来の相撲勘を取り戻せていない印象だった」と分析する。

 照ノ富士は持病の腰痛の影響で3場所連続休場。冬巡業の参加も見送り、他の部屋の関取衆と本格的な稽古を再開したのは初場所の番付発表後のことだった。今回の復帰にあたり、師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は「稽古の量が足りていない。やってみないと分からない状態」と調整不足を懸念。本人の意思を尊重して出場にゴーサインを出したものの、不安が的中する格好となった。

 秀ノ山親方は「やはり、3場所のブランクは小さくないのでは。休場中も自分の部屋で実戦を想定しながら稽古はできるけど、それだけで心技体を一致させるのは難しい。ただ、照ノ富士ほどの経験があれば、本場所の取組の中で相撲勘のズレを修正していけるはず。序盤の残りを取りこぼさずに乗り切れば、本来の感覚を取り戻して盤石の相撲に近づいていくと思う」と指摘した。

 現役時代はライバルとして同じ土俵で戦った。それだけに、秀ノ山親方も照ノ富士の復活を強く願っている。「初日は審判に入っていたので、照ノ富士の横綱土俵入りを下から見守る機会があったんですね。そこで大勢のお客さんが喜んでいる姿が印象的だった。ファンの期待に応える意味でも、結果を残してほしい」とエールを送った。

 これまでにも数々の苦難を乗り越えてきた横綱は、今場所で復活した姿を見せられるか。