お世話になっております。最近購入した中で一番かわいいものは、もしかすると「トッピングの味玉」かもしれない〝ぼっち記者〟です。

 前編に引き続き「文具女子博2023」の模様をリポート。今回は異業種から文房具に参入し、新たな挑戦を続けている3社をご紹介します。

 まずは「Map Design GALLERY」から。こちらは著名な地図会社のゼンリンさんが展開する、実際の地図をデザインに取り込んだグッズブランドです。特にレトロテイストを取り入れた商品シリーズ「街まちレトロ」では、各地の名物をモチーフに地図のカラーリングが行われていることも特徴。会場でもクリアファイル、マスキングテープ等の文房具が発売されていました。

地図とレトロデザインを融合した文具がズラリ
地図とレトロデザインを融合した文具がズラリ

 新たに発売された商品のラインアップも、函館・尾道・長崎・鹿児島と、一度は訪れてみたい観光地の地図を使用したものがズラリ。尾道は「レモンケーキ」色に、鹿児島は「白くま」色にデザインされる等、旅行好き女子の心をくすぐる工夫が施されています。ちなみにクリアファイルには内部に仕切りがあり、そちらには地形と道路だけがプリントされています。一方でファイルの本体には家や施設等の建造物の形だけが載っていて、重ね合わせると完成した一つの地図になるという地図ファンにとってはたまらない仕掛けも…。「○○だけ載っている」ニッチな地図を商品に活用できるのも、全国の詳細な地図データを保有しているゼンリンさんならではと言えるでしょう。

〝都道府県型〟のピンバッジも販売中
〝都道府県型〟のピンバッジも販売中

 地図と聞くとその利便性や使いやすさが注目されがちですが、地形の変化や、土地利用のグラデーションにも実は美しさがあるんですよね…。デザイン性、そして街の魅力を押し出すというコンセプトに、地図の新たな可能性を感じました。

 担当者の方も、このシリーズを通じて今まで興味がなかった方にも地図に触れてほしいとのこと。かわいい文具から〝地図沼〟にハマってみるというのはいかがでしょうか?

 続いては、「越乃雪本舗大和屋」さん。こちらは新潟県長岡市に本店を構える和菓子屋さんです。1778年に創業し、普段は干菓子や最中、羊羹等を販売されている歴史あるお店なのですが、文具女子博に出展している理由は、販売中の〝食べられるクレヨン〟「おいしいおえかき」にあります。普段絵を描く際に使われるクレヨンは顔料をろうで固めたもので、まず食用ではありません。しかしこちらの商品は、クレヨンの形を再現した「和三盆糖」なんです。

クレヨンにしか見えませんが食べられます
クレヨンにしか見えませんが食べられます

 持つ部分を紙がぐるっと囲んでいる見た目や、箱に並んだ時の雰囲気はクレヨンそのもの。もちろん口に入れても何の問題もありません。小さい頃「ちょっとあんた何食べようとしてるの!」と母親に怒られた記憶がある方は、当時を思い出しながらボリボリ食べていただければと思います。

 しかし1つだけ悲しいお知らせがありまして…。こちらのクレヨンで実際に色を塗ったりすることはできません。ですから〝食べる用〟のクレヨンと考えてもらった方がいいかもしれませんね。ちなみに大和屋さんでは、食用ではないものの実際に使えるかわいいマスキングテープも同時に販売中ですよ。

こちらは和菓子ではないマスキングテープ
こちらは和菓子ではないマスキングテープ

 今回の文具女子博全体のコンセプトが「ティーパーティー」ということで、会場ではハーブティー風味やチャイ風味のクレヨンを加えた限定品も発売されていました。実際にこのようなかわいい商品を展開してから、若い世代のファンが急増したとのこと。現在は店舗にカフェスペースを新設した他、食べられる〝生菓子の文房具〟の開発も検討しているといいます。老舗和菓子さんのさらなる挑戦に、今後も目が離せません。

クリスマスをイメージした和菓子も
クリスマスをイメージした和菓子も

 最後は「yuEN」さん。各地の伝統的な織物を使用した商品を展開するブランドです。今回は文具女子博ということもあり、ボールペンやシャープペンシル、木製のしおりを出展されていました。

 特にペンは側面のほぼ全てに伝統的な織物が使われており、持つと布地特有の温かみが感じられました。全国各地の織物が用意されているため、キラキラしたものが好きな方は西陣織、着物が元々好きな方は紬(つむぎ)や縮(ちぢみ)といった風に、それぞれの好みから伝統工芸の世界に触れることができますよ。

各地の織物が使われています
各地の織物が使われています

 中でもとっておきは沖縄県で生産されるヤシラミ花織。こちらは現在でも伝統的な〝手織り〟で生産されているというから驚きです。各地で受け継がれてきた希少な技術を手元から感じるという体験、相当にぜいたくなのでは…?

 元々はアクセサリーやキーホルダーに使用する金具の輸入業を行っていたとのことですが、コロナ禍で事業がストップする中で、社長が知人から紹介された素材こそが〝織物〟だったのだとか。以来社長が日本全国を駆け回り、面識のなかった織物業者と交渉を重ねたといいます。また、こだわりとして、生産者を応援するために売れ残った布や端材は使用せず、常に新しく注文した織物を製品に使っているそう。ゆくゆくはバッグ等の大型の商品の販売にも注力し、各地の織物をしっかりと支える基盤を作る予定であることも教えていただきました。そういった意味でもペンは、織物の良さに文字通り「触れてもらう」ための第一歩とのこと。ペンケースの中身から伝統文化を応援するという選択肢、ぜひ広まってほしいです…!

地域も違えば織り方も様々
地域も違えば織り方も様々

 まだまだ伝えきれない文具女子博の魅力は、後編でお伝えします。ぼっち記者のしがないリポート、もう少しお付き合いください…!

【文具女子博2023】パシフィコ横浜で17日まで開催される、日本最大級の文具展覧会。全国の文房具メーカーが最新商品やイベント限定のグッズを紹介・販売し、文具マニアを中心に人気を集めている。開場時間は10時から17時までで、チケットは事前購入制。

 詳細は公式HP【https://bungujoshi.com/】。