日本サッカー協会は7日、国際親善試合タイ戦(来年1月1日、国立)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。国際Aマッチデー期間ではないため所属クラブのリーグ戦が中断されないMF三笘薫(ブライトン)やMF久保建英(レアル・ソシエダード)ら多くの主力が招集を見送られた。元日本代表FW武田修宏氏(56=本紙評論家)は、今回の一戦が「Aマッチ」と認定されることに疑問を呈した。

 日本代表史上初となる元日のタイ戦は国際Aマッチデーではなく、代表側に選手の拘束力はない。そのため冬季中断に入るリーグのクラブからは招集できるが、リーグ戦が中断されないイングランド、スコットランド、スペイン、ポルトガル、イタリアなどのリーグに所属する選手たちの招集は見送られた。三笘や久保をはじめ、MF遠藤航(リバプール)、DF冨安健洋(アーセナル)ら主力の多くが選出されなかった。

 森保一監督は「日程上招集できない選手もいるし、その中で招集できる選手を招集する」と説明。可能な範囲でベストメンバーを編成したと強調した。武田氏は編成の条件に理解を示しつつも、多くの主力を欠くチームが「A代表」と認定されることに、代表OBとして疑問を呈した。

「これだけ主力選手がいないのに、A代表となるのはどうなのか。代表の〝価値〟というものがある。昔はこういうのは、日本代表Bチームだったり日本選抜という名前で試合をやっていた。今回もそれでいい」と主張する。代表の試合が増加したこともあり、以前よりA代表の〝格〟が下がっていると危惧した。

日本代表当時の武田修宏氏(左)。右は前園真聖(1994年)
日本代表当時の武田修宏氏(左)。右は前園真聖(1994年)

「僕は国際Aマッチ出場が18試合と計算されているが、(1991年の)キリンカップのバスコダガマ(ブラジル)戦やトットナム(イングランド)戦、(93年の)ユベントスとの親善試合などはカウントされなかった。Aマッチの代表の価値は、昔は試合が少なかったが、今は毎月のように試合があり、価値が違う」とズバリ指摘。「これでは誰でも入れる代表となってしまう。時代とともに変わるものだが、質は大事にしないとお金を払って会場に来るサポーター、観客がどう思うのか」とA代表の〝量産〟に警鐘を鳴らした。

 一方で、主力の代わりに招集されたMF伊藤涼太郎(シントトロイデン)やGK野沢大志ブランドン(FC東京)ら新戦力には期待を寄せる。「森保監督は育成の経験もあり、試合の中で経験、成長させて、未来の軸を育てていると思う」と指揮官の長期的な視点を高く評価。記念すべき元日決戦は、代表戦として価値ある一戦となるか。