【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#543】大型のネコのような姿をしたUMAといえば、英国の有名な「エイリアン・ビッグ・キャット(ABC)」の名前が第一に挙げられるだろう。1960年代から多くの目撃例が報告されており、ヒョウやピューマのように見えるものの、現在でも該当する野生動物が特定されておらず、正体不明の存在として知られている。

 そして最近になり、このABCのような大型のネコ科らしき謎の動物が、米国でも目撃され話題となったのだ。

 2023年11月、アリゾナ州のフェニックス山脈保護区で謎の大型のネコが撮影されたのだ。11月9日、フェニックスの地域住民であるジェン・フレッチャー氏が、山岳地帯を動き回る奇妙な黒いものがあることに気付き、動画の撮影を試みた。移動するにつれて、それがクマやイヌではない長い尻尾を持っているように見えたという。そしてその黒い毛で覆われた存在は、ネコのような何らかの大型動物ではないかと思ったのだ。

 このいわば「ミステリー・ビッグ・キャット」を撮影したわずか23秒ほどの動画はユーチューブアカウントで公開され、話題となった。米メディア「12ニュース」でも伝えられた。

 しかしながら、この大型のネコのような動物については、地元当局も頭を悩ませており、その正体が今もってよく分かっていないというのである。

 アリゾナ州狩猟魚局のジム・デボス氏が地元テレビ局の映像を見たところ、アリゾナ州はさまざまな大型ネコ科動物が生息していることは確かであるものの、この映像に映る動物は州の在来種とは言えないとのことだ。

 アリゾナ州では、ピューマが州の乾燥地に生息しており、ジャガーも州南部から北のグランドキャニオンまで生息しているということであるが、彼がこの動物の特徴を見るに、ボブキャットやヤマネコなどとも異なっており、また飼いネコの大きさでもないと指摘したのだ。

 ソーシャルメディアでは、遺伝的に毛が黒くなるメラニズムを持ったピューマかジャガーではないかとのコメントも寄せられていたが、今日に至るまでそういった症例の個体も確認されていないというのである。

 謎めいた存在であるミステリー・ビッグ・キャットであるが、デボス氏は次のような仮説を立てている。「この動物はアフリカもしくは南アメリカからもたらされた可能性があり野生動物のオークションなどで購入されて、その後逃げ出してしまったのではないか」というのである。

 現在ミステリー・ビッグ・キャットについては、この目撃以降での報告がこれといって寄せられておらず、正体は分からずじまいだ。当局側の回答でも、人間がこの動物と接近遭遇するか、あるいは人間が直接的に危害を加えられるような攻撃を受けるといったトラブルがない限り、追うことはできないという。

 山の中に一瞬だけ現れ、そして姿を消してしまったミステリー・ビッグ・キャット。その地に存在する未確認の存在であったのか、それともよそからやって来た外来の存在であったのか、謎は深まるばかりである。