ナツメの人気が高まっている。古くから美容にいいとしてよく知られていたが、最近はそれだけでなく健康のために食べるスーパーフードとしても話題だ。人気の理由と食べ方、選び方などを専門家に聞いた。 

【美人をつくるだけでなく中高年男性にもオススメ】

 ナツメは中国を原産とする果実で、ほんのり酸味と甘みがある、栄養たっぷりのフルーツである。現在では一般的に干しナツメに加工されたものが販売されている。

 ナツメというと世界3大美人の一人とされる中国の楊貴妃についてのエピソードを思い浮かべる人もいるかもしれない。楊貴妃は、類いまれな美貌で唐の玄宗皇帝をとりこにしたそうだ。その美を保つためにナツメを愛用したことが知られ、中国では「毎日3粒のナツメを食べれば老いを防ぐ」と言われている。

 そのナツメについて、「実は女性だけでなく、ぜひ男性にもオススメしたいのです。特に中高年の男性でお酒を飲まれる方は、飲んだ翌日にナツメを取ると胃腸の調子が整い、肝臓を守ってくれる効果が実感できます」と教えてくれたのは薬膳研究家で国際中医薬膳師のユウ・シャーミンさんだ。

 ナツメは中国北部を原産地とするクロウメモドキ科の落葉高木である。植物としては「棗(そう)」といい、一般的には「棗子」「紅棗」と呼ばれている。夏に黄緑の花を咲かせ、暗めの赤色をした楕円形の実をつける。

 この実の部分を乾燥させて干しナツメとして一般的に食されたり、中国料理、韓国料理などに使われたりするほか、漢方の生薬として用いられるときは「大棗(たいそう)」と呼ばれる。日本でナツメと呼ばれるのは、夏に入って芽を出すため「夏芽」と呼ばれ始めたことに由来している。

【腸内環境を整え、生活習慣病対策に】

 現代栄養学でもナツメは食物繊維、サポニン、鉄分、葉酸をはじめ豊富な栄養を持つとされている。特に食物繊維が豊富で、腸内環境を整え、消化吸収をよくするため生活習慣病の予防が期待される。

 またナツメに含まれるジジフスサポニンは、強い抗酸化作用があり免疫機能を向上させてウイルスや菌から体を守るとされる。鉄分は貧血に効果があり、葉酸も体の働きを調整するビタミンの一種である。

「中国では3000年以上前から健康に効果のある果実として人々に親しまれてきました。ごく一般的に干しナツメをそのまま食べたり、家庭料理やお菓子などに使用されますが、医食同源の素材とされていることがひとつのポイントですね」

 ユウさんによれば、東洋医学ではナツメは「脾の果」と呼ばれるとのこと。特に脾や胃の虚弱、疲労、貧血、精神不安などに対する漢方薬として用いられるという。薬膳でも大棗は滋養・補血などに効果があるとされ、薬膳茶にされたり薬膳スープの重要な食材として使われる。葛根湯にも成分の一つとして含まれている。

 そうしたスーパーフードでありながら取るのが簡単だ。そのまま食べるだけでいい。そうしたナチュラルさも、ここにきて急に注目されている理由である。次回は、そんなナツメの買い方、選び方、食べ方について聞く。