大阪・関西万博が開幕してから約3か月。建設費未払い問題で、万博で唯一開館していなかった「ネパール館」が7月19日にようやくオープンした。28日には予定より2か月ほど遅れて「ナショナルデー」のイベントを開催して大盛り上がりとなったが、そもそもネパール館はどんなパビリオンなのか。実際に記者が取材してみると――。
ネパール館は絶好のポジションにあった。「夢洲駅」を出てすぐの東ゲートから入場。ほどなく見える「大屋根リング」をくぐってすぐのところだ。“最初に目にする海外パビリオン”と言ってもいい。
オープンが98日間ズレ込んだのも、ネパール側の建設費未払いが原因だが、他のパビリオンでも未払い問題は起きており、やや悪質化している国も。それでもネパールが“悪目立ち”してしまったのは、日数の長さだけでなく、この絶好のロケーションゆえかもしれない。
気になる中身は、というと「パビリオン」というよりも、もっとポップな「展示コーナーのあるフードコート」といった印象だ。
きらびやかな黄金のゲートを入り2階へ行くと、曼荼羅や彫刻物、ヒマラヤ山中で採れたクリスタルなどの天然石を掘った調度品などが並ぶ。
これらの多くは古くても60年ほど前に作られたもの。館長のビレンドラ・バジュラチャルヤ氏は「ここに展示しているのはすべて手作業で作られている。後継者も減少しているなかで、この良さや技術を知ってもらい、未来へとつなげるメッセージになれば」と語る。
奥に進むとシンギングボウルの体験コーナーがある。頭上で鐘のフチを棒で擦るように響かせると体にその波動が浸透。人体に7つあるといわれるエネルギースポット「チャクラ」のバランスが整い、浄化するというものだ。多くの人が楽しんでいた。
展示コーナーを出て地上に降りる。首都・カトマンズの街並みにも似たレンガ調の壁に囲まれたその中央には、世界遺産「スワヤンブナート寺院」を模したモニュメントが鎮座。それを取り囲むようにショップが軒を連ねるが、注目なのは販売されているフードの内容だ。
国民食「ダルバート」をはじめとするネパール料理、ヒマラヤ山系の水を使ったヒマラヤビールなどが並ぶ中、なんと「パンかま」、「あげタコやん」、「チョコバナナ」、「あげモモちゃん」(※モモ=ネパール風餃子)、「タンドリくん」などなど…。日本の食べ物を含む“何でもあり”のフードを展開しているではないか。
ちなみに最も異彩を放つ「パンかま」に至っては今年3月の「第85回ジャパン・フード・セレクション」でグランプリを受賞している。その味はかまぼこを食パンでくるみ油でカラリと揚げたもの。ネパール的なことを抜きにしても、これはビールに合う。うまい。
他には目にも鮮やかな「仏舎利塔パフェ」、細長い「如意棒カレーパン」、50食限定の「黒豆パン」などがラインアップ。ちなみにどれも飛ぶように売れている。
明らかに“突っ込んでくれ!”と言わんばかりの内容に、すかさずビレンドラ館長を直撃すると、こんな答えが…。
「いろいろあったが、日本企業と作り上げたパビリオンでもある。ネパール料理だけだと、インド館とほぼ同じになってしまうので、そこに“遊び心”を加えたかったし、他のパビリオンとは違う『夜市』のようなイメージも出したかった」
館の関係者によると、今後は夜も盛り上がれるような雰囲気をつくり出していきたいという。最も遅れてオープンしたネパール館が、今度は最後の最後まで万博を盛り上げてくれるのかもしれない。













