山陽オートは今年、28年ぶりとなる走路全面改修を実施。このほど完成し、きれいな走路に生まれ変わった。12月1日からは、こけら落としとなる「第8回大成ロテック杯争奪戦~新走路完成記念~」がナイターで開幕する。また16日から恒例の九州スポーツ杯GⅠ「第58回スピード王決定戦」も始まる。新走路の概要を報告しよう。

 山口県山陽小野田市埴生にある山陽オートレース場は今年、8月16~18日のミッドナイトのあと開催を休み、改修工事に入った。

 今回、施工を行ったのは大成ロテック株式会社。山陽走路を長きに渡り改修担当している。「走路は約2万6000平方メートルと広大です。それを一度、全面撤去して、下から構築する工事でした」と話すのは同社・中国支社山口工事事務所の佐藤貴紀課長代理。

 走路は選手が実際走る「表層」といわれる部分、その下に雨水を滞留させ下に流す「マカダム層」というのが2層、さらにその下に水を流す「遮断層」と呼ばれる層があり、この4層で構成されている。

 4層を合わせると厚さは最大28センチにもなる。前回の2015年の改修工事は上側の2層分だけだった。だが近年、レース等で発生したタイヤの削りかすや、選手が装着する鉄げたの摩擦による鉄粉等の影響で水はけが悪くなっていた。

 そのため今回、すべての層を張り替える全面改修を28年ぶりに行うこととなった。同社・中国支社山口工事事務所の桑原浩二所長が「オートレースの走路工事は難易度は高いです。普通の道路とは違います」と言う通り4層もあるため毎層、気を使いながらの作業で「選手は数ミリの段差も気づく。それがないようにしないと」と精密さが求められた。

 この難しい工事を8月19日から開始し「舗装作業は全部で25回行いました」(同社・中国支社山口営業所の河田晋所長)と10月26日に舗装を完了させた。その後ラインの書き入れやアスファルトの油分を洗い流す作業を11月半ばまで行った。

 こうして完成した新走路。「データ上は問題ありません。JKAのオートレース走路の規格は厳しいですが(走路の)平坦性、透水の基準も規程以上のいい数値が出ています。もう一つ、滑り抵抗値という食いつきを表す試験もクリアしています」と佐藤氏は胸を張る。ゆがみのないきれいな走路、そして水はけが良化し大きな濡れた部分が解消となれば落車の危険もなくなる。走路温度が上がりにくい冬場に、状態が良く食いつきがいい新走路とあれば、見応えある高速バトルが期待できる。

 11月2日には山陽所属の緒方浩一、岡本信一、安東久隆の3選手による走行テストがあった。その際に選手からは問題ないとの評価も得た。

 佐藤氏も「いい走路ができたと思います。この新走路で走る山陽の選手が最高峰のレースで優勝してほしいと思っています。また山陽でもSGの開催をしてほしいですね」。オートレースファンとしての夢を語り、山陽所属選手の好走を願った。