人によっては死ぬまで付き合い続けることになる花粉症。その治療法は4種類あるが、そろそろスタートさせないと“春”に間に合わないものもある。呼吸器内科医でアレルギー専門医の資格を持つ佐藤留美先生に教えてもらおう。

 ――舌下免疫療法とは、どういう治療法ですか

 佐藤医師(以下、佐藤)アレルギー反応というのは、入ってきた物質を体が異物だと捉えることで起こります。舌下免疫療法は、スギの成分を定期的に体に取り入れることで、スギは味方だと体に覚えさせ、スギ花粉に反応しなくなるようにする治療法です。スギ成分が含まれる錠剤や液体を舌の下に入れ、しばらく置いたまま待って、その後飲み込みます。遅くとも花粉が飛散する3か月くらい前から毎日服用することで効果が期待できます。

 ――だから11月までに始めましょうと言われるんですね!

 佐藤 ただ、治療をスタートしたのち1年を通してずっと飲むか、シーズンに合わせて飲むかは人それぞれです。症状や生活スタイルによって選びます。効果の出方は様々ですが、だいたい3年から5年くらい継続することで、根本的な改善に導いてくれるイメージです。

 ――他にも飛散時期より早めにスタートした方がいい治療法はありますか

 佐藤 抗IgE抗体療法も、飛散時期の3か月ほど前からスタートします。2週間に1回ゾレアという薬を、飛散時期が終了するころまで注射し続けることで効果を発揮します。IgE抗体と肥満細胞が結合することを邪魔し、アレルギー反応を起きないようにしてくれるものです。

 ――一方で、レーザー治療や薬物治療はすぐに効果が出るイメージがあります

 佐藤 そうですね。比較的すぐに効果が実感できるかと思います。多くの人が受けている治療法が薬物治療で、出ている症状を抑える薬を毎日飲むことで、症状を緩和します。レーザー治療は鼻の粘膜組織をやけどのような状態にして、アレルギー反応を起きなくさせる方法です。1回行えば、粘膜組織が回復してくるまで効果が持続します。だいたい1~3年くらいでしょうか。

 ――4つの治療法は、内科や耳鼻科に行けばすぐに受けられますか

 佐藤 薬物治療は基本的に内科や耳鼻科など、どこでも受けられます。そして、レーザー治療は耳鼻科ですね。受けられる医療機関がぐっと限られるのが、舌下免疫療法や抗IgE抗体療法です。アレルギー専門医など限られた医師のみが行える治療法であるため、事前に調べてから受診していただくのがよいでしょう。