秋にくしゃみや鼻水が出ると、「花粉症かもしれない…」と思う人もいるだろうが、もしかしたら原因は寒暖差アレルギーかもしれない。秋口に患者が増加する「花粉症」と「寒暖差アレルギー」は症状が似ているというが、いったいどんな病気なのか。耳鼻咽喉科の鈴木香奈先生に教えてもらおう。

 ――花粉症や寒暖差アレルギーとはどういう病気なのでしょうか
 鈴木医師(以下、鈴木)花粉症はアレルギー反応です。私たちの体は、異物が入ってくると、体を守るために排除しようとする免疫反応が備わっています。その反応が継続することで、異物に対して過剰な反応を起こすようになり、症状が出てしまいます。一方の寒暖差アレルギーは、アレルギーという言葉が入っていますが、アレルギー反応のことではありません。医学用語では「血管運動性鼻炎」というんです。

 ――では、血管運動性鼻炎の原因は何なのでしょう

 鈴木 それが気温差です。気温差によって、体に刺激が加わったり、自律神経のバランスが崩れたりすることで、症状が出ます。6~7度ほどの気温差を体が感じると症状が出やすいといわれ、1日の中でも気温差が激しい春や秋など季節の変わり目に症状が出る人が多くなります。

 ――花粉症も春と秋が多いですが、どちらも同じ時期なんですね
 鈴木 そうなんです。しかも症状もかなり似ていて、症状だけでは区別がつきにくい。明確に診断するには、医療機関でアレルギーの検査をして、アレルギーの有無を調べるしかありません。
 ――症状に違いは全くない?

 鈴木 唯一、症状が違うのは目です。寒暖差アレルギーには目の症状はあまりないです。目の充血や目のかゆみなどがあれば、それは花粉症でしょう。ただし、花粉症でも目の症状が出ない人もいるので、やはり自己判断は難しいと思います。鼻の症状はどちらも出ますし、秋の花粉症では咳も出るので、咳で区別もできません。

 ――咳ですか! 春の花粉症では咳が出るイメージがありません
 鈴木 春の花粉症代表のスギなどの花粉は直径が大きく、鼻や目の粘膜で止まるんです。しかし、秋の花粉の原因となるブタクサやヨモギ、イネやススキなどの花粉は直径が小さく、気管まで入り込んでしまう。そのため、気管支に影響が出て、咳が出たり、喘息の症状が出たりする人もいるんです。春と違い、秋の寒暖差アレルギーと花粉症では、咳での判断もできないんです。