今年も暑い。40度近い気温が続く今の時期に気をつけたいのが脱水症だ。たかが脱水と思っている人もいるかもしれないが、最悪死に至る可能性もあるという。この夏を健康に乗り切るために、その症状と対策法について、内科医の近藤千種先生に教えてもらおう。
――改めまして脱水症とは?
近藤医師(以下、近藤)脱水症というのは、水と電解質(塩分など)で構成される体液が汗などで失われ、その補給ができていない状態です。体外に出ていく水分・電解質の量と補給する水分・電解質の量のバランスが崩れ、不足したときに、体にさまざまな症状が起こり始めます。
――どういうときにバランスが崩れるんですか
近藤 大量に汗をかいたり、発熱や下痢などによって体内に必要な水分量と塩分量が十分でなくなってしまう場合があります。喉の渇きを感じたり、尿の色が濃くなってきていたりしたら、脱水傾向にあるという重要なサインです。
――サインを無視したら脱水症状が進んでしまうんですね
近藤 その通りです。軽症だと、めまいやふらつき、皮膚の乾燥、口の中のねばつきなどの症状が出てきます。中等症だと、頭痛や吐き気、下痢など複数の症状が同時に起こってきます。そして、重症になると、意識障害やけいれんなどが起こります。
――他の病気を引き起こすこともあると聞きました
近藤 脱水になることで血液が濃縮され、ドロドロになります。その結果、血栓ができやすくなる。それが脳や心臓の血管に詰まることで起こるのが心筋梗塞や脳梗塞です。あとは、夏場の早朝に「背中が痛い!」とのたうち回って救急車で運ばれてくるような人は、尿管結石の疑いがある方です。夜間多量に寝汗をかき脱水状態になることで尿が濃縮され、尿中の成分が結晶化されるため、結石ができやすくなるんです。
――熱中症も関係してきますよね?
近藤 熱中症と脱水は大きく関係していますね。体温が上がっていき、それが継続する中で徐々に脱水も進みます。毎年死亡者も出ているので、本当に気をつけてください!
――体調が変だなと思ったらどうしたらいい?
近藤 少し調子が悪いくらいなら、しっかり水分補給を行い、体を休めてください。もし、複数の症状が同時に出ている場合は医療機関を受診しましょう。意識がもうろうとしているようでしたら、迷わず救急車を呼んでください。急ぎ治療をしないと最悪命を落とします。私は大丈夫だ!と脱水を甘くみないようにしてください。
☆こんどう・ちぐさ 内科学会認定内科医、抗加齢医学会認定専門医。帝京大学医学部を卒業後、総合犬山中央病院、ちくさ病院副院長などを経て、2023年10月、名古屋市内に「ちぐさ内科クリニック覚王山」を開院予定。













