【1・5時間社会科見学】お久しぶりです。「東スポWEB」では少し前に、気軽に、かつじっくり知識を学ぶことができる博物館を「1・5時間博物館」としてご紹介しました。

 この秋は博物館に加えて、1・5時間で貴重な体験ができる〝社会科見学〟にも注目。大手航空会社のANAさんが展開されている、2つの見学ツアーを取材しました。前編では訓練施設をじっくり見学できる「ANA Blue Base Tour」を紹介します!

 2021年に始まった「ANA Blue Base Tour」は、京浜急行「穴守稲荷駅」から徒歩7分の場所にある訓練施設を見学するツアーです。

 整備士や客室乗務員(CA)、運航乗務員(パイロット)等、飛行機に関するありとあらゆる職種の訓練風景を見ることができる、相当に貴重な内容となっていますよ…!

こちらのコックピットも整備訓練用
こちらのコックピットも整備訓練用

 まず参加者を待っているのは、空港を意識した内装のエントランス。こちらでは航空機の模型が見学できる他、ANAの歴史を紹介する動画を見ることができます。「ヘリコプター2機の運用」から会社の事業がスタートしたということは初耳でした。中年世代なら記憶に残っているであろう、ダ・ヴィンチが考案したヘリコプターをあしらった旧マークも、そこにルーツがあったわけですね。

 加えてツアーにちなんだグッズも多く展開されています。施設内と同じピクトグラムをあしらった小物から、実際のスタッフも使用しているオリジナルの軍手、さらにはANAのロゴが入った工具箱等、コレクター心をくすぐる商品がめじろ押し。ツアー終了後に購入できるので、ぜひチェックしてみてください…!

ツアーにちなんだグッズも販売中
ツアーにちなんだグッズも販売中

 その後は出発ゲートをくぐり3階の見学エリアに移動。施設で訓練を受けている社員の職種について説明していただいた後、グループでの見学が始まりました。

 ちなみに訓練の様子を一般公開しても良いのかという意見は社内でもあったそうですが、安全への取り組みを紹介することで、今後利用される方に安心を届けたいという思いからツアー化に踏み切ったといいます。見学者は航空業界の裏側を見学できますし、企業も利用者に信頼していただけるという、WinーWinなツアーということですね。

 見学フロアは見どころにつぐ見どころが現れる夢のような空間でした。グランドスタッフが空港窓口での業務を学ぶため、機材やカウンターが用意されているエリア「SPECIA」は見ているだけで非日常感がありましたし、実際の航空機を模した日本初の可動式実物大訓練施設「CEET」は迫力満点でした。

脱出訓練が行われていることも
脱出訓練が行われていることも

 取材当日は幸運なことに、CEETが「上空の気流の影響を受けて大きく揺れる飛行機」を再現して動く姿や、客室乗務員の方々が、飛行機からの脱出訓練を行う場面も見学することもできましたよ…! 機内の映像で紹介される、〝例のすべり台〟(エスケープスライド)で避難する様子も運が良ければ見学できるので、こればかりは訓練が行われる日に当たることを祈りましょう…!

 また、訓練に使う設備のサイズ感もぜひ注目していただきたいです。例えば整備士の方々が研修に使うエンジンは、実際の航空機に使用されているもの。側で作業している方々がちっぽけに見えてしまう大きさです。特にボーイング787のエンジンの迫力は圧巻で、この巨大なエンジンを使って日本からメキシコまで飛び続けることができるそう。長期間のフライトでも決して不具合を起こしてはいけないのですから、万全のメンテナンスをしてくださる整備士の方々には頭が下がります。

 そして整備士側が〝万が一〟の事態をなくそうとしている一方で、トラブルが起きてしまった前提で訓練が行われているのがフライトシミュレーターです。

 こちらのシミュレーターでは、「嵐の中で空港に着陸しなければならない」「片方のエンジンが故障して停止した」等の、危機的な状況に対処する方法を学ぶとのこと。私自身、説明を聞く前は「パリのきれいな夜景とかも再現してくれるのだろうか…」とのんきに想像していましたが、よくよく考えるとつつがなく進行するフライトを再現したところで、あまり訓練する意味はないですね…。

ツアーは2021年から開催中
ツアーは2021年から開催中

 副操縦士を目指す〝パイロットの卵〟の皆さんも、現実では体験できないような場面に悪戦苦闘することで、どんな時でも冷静にお客様と荷物を送り届ける技術を磨いていくそう。外からでもトラブルを再現していると分かる揺れ方のシミュレーターで、若手社員の方々は文字通りしっかり揉まれていました。

 さらに紹介したい内容は山ほどありますが、最後にフォトスポットだけご紹介。基本は撮影禁止となっているツアーの中で、最後の部屋「Experience ANA」だけは撮影が可能です。こちらでは航空機の巨大なタイヤ、整備訓練用に使われたリアルなコックピット、客室乗務員が機内で使っているカート等、思い出を残すにはピッタリの〝映え〟スポットが多く用意されています。ツアーで空港や空の旅を身近に感じられるようになった方は、最後に思う存分〝なりきって〟記念撮影をしてみてはいかがでしょうか…!

タイヤも間近で観察できる
タイヤも間近で観察できる

 機会を改めてもう1つのツアー「ANA Blue Hangar Tour」もご紹介する予定です。空の旅にまつわる、よりニッチな世界をご案内しますのでお楽しみに。

【ANA Blue Base Tour】大手航空会社ANAが展開。訓練施設は京急電鉄・穴森稲荷駅から徒歩7分。要予約で、料金は大人が1000円、中・高校生が800円、小学生が500円となっている。

 詳細は公式ウェブサイト【https://www.anahd.co.jp/group/tour/ana-blue-base/】で。