大先輩からエールだ。大相撲秋場所12日目(21日、東京・両国国技館)、元大関の幕内朝乃山(29=高砂)が小結翔猿(31=追手風)を力強く寄り切って快勝。「あと3日。明日もしっかり気合を入れて取りたい」と気持ちを引き締めた。先場所は左上腕を痛め、今場所前には右足親指を負傷。万全ではない中で7勝目を挙げ、勝ち越しまであと1勝にこぎつけた。

 朝乃山の復活を強く願っているのが、今年5月に引退した元大関の栃ノ心氏(35)だ。今場所の相撲内容について「上手のつかみ方が、ちょっとね。あまり腕のほうが良くないんでしょうね。まだ痛いだろうから。でも、大丈夫。なんとか今場所を乗り越えて、来場所はちゃんと力を出せるんじゃないかと俺は思っている」と分析する。

 現役時代は、巡業先で同じ右四つの朝乃山を稽古相手に指名。朝乃山も「相撲を鍛えてもらった」と感謝の思いを語っている。栃ノ心氏は「自分が大関に上がってから、右四つの形に合わせて相撲を取る人があまりいなかった。彼は当たりも強かったし、同じ右四つ。あの時は自分のためにもなったし、彼のためにもなったと思う」と当時を振り返った。

 その上で「もともと強いし、前みたいな相撲を取れると思ってますから。しっかりあいさつもしてくれるし、性格もすごくいい子。だから応援している。また大関に戻ってほしいですよ」と期待。ここから朝乃山は〝恩返し〟を果たせるか。