「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバーで元ジャニーズJr. の長渡康二氏がこのほどインタビューに応じた。故ジャニー喜多川氏による性加害の影響で、現在も深刻なフラッシュバックに悩まされるという。
――なぜ名乗りを上げた
長渡康二氏(以下、長渡) 性加害の調査を行った国連人権理事会の会見が行われた時、涙している(当事者の会代表の)平本(淳也)さんを見て、世間がこちら側に向いてくれていると感じました。そして旧知の大島(幸広)さんも苦しんでいるのを知って、自分も声を上げようと決めました。
――誹謗中傷もあるのでは
長渡 SNSは見たくないので見ないようにしています。それでも会社に1日約20件くらい電話がかかってくるんです。僕が電話を取ることもあります。内容は「金が目的だろ?」や「嵐が再結成できないのはお前のせいだ!」とか。メールやメッセージもかなりの数が届いているようです。
――きつい状況だ
長渡 会社にも迷惑をかけていますし、誹謗中傷はつらい。精神的にもきているので、本当にやめてほしいです。
――それでもメンバーとして活動は続ける
長渡 性被害のことは当時、ジュニアや親に言えませんでしたが、今は会のメンバーに相談することができますからね。
――親にも言えなかった
長渡 僕は大阪生まれで、関西でジュニアの活動をしていましたが、家庭の事情で横浜に引っ越して母子家庭だったんです。母は僕のことをとても応援してくれていて、その思いに応えたいという気持ちがあった。
――ジャニー氏は家庭の事情を把握していた
長渡 ジャニー氏との会話で、父がいないことを伝えたことがあります。引っ越した後は関東でも活動していて、リハーサルが遅くなった時にジャニー氏が滞在するホテルに行ったこともあります。
――ジャニー氏の犯行は計画的と言える
長渡 事実かどうかわかりませんが、ジュニアの間では「ジャニーさんは母子家庭の子が好きらしい」というウワサが広まっていました。親が仕事で多忙だと、レッスン会場に迎えに来ることができないし、何かあっても力の強い父親が乗り込んで来ないから、と。
――1996年に当時13歳だった時に、大阪市中央体育館で行われたバレーボール女子のアトランタ五輪世界最終予選で、V6のバックダンサーを務めた
長渡 リハーサルが深夜まで続いたので、ジャニー氏のいるホテルに。部屋にある化粧台の鏡の前で、ジャニー氏は背後から僕の下腹部を触り「見てごらん~。こんなになってるよ~」と言ってきたんです。今も銭湯の鏡とかで自分の全裸を見た時に、その記憶がフラッシュバックして本当に気持ち悪くなります。
――2000年11月ごろ、翌朝にテレビの仕事があったため、六本木のホテルに宿泊。ジャニー氏からマッサージを受けた後、性被害に遭ったと明かしている
長渡 気持ち悪くなったので、その夜、財布や持ち物を部屋に置いたまま寝間着で逃げ出しました。フロントでもらった布のスリッパを履いてひたすら歩いて。国道246号線を歩いて多摩川を越えたら神奈川に着くとわかっていたので。
――1人で泣きながらひたすら歩いた
長渡 はい。道中、パトロール中の警察官を発見すると、子供ながらに「見つかってはいけない」と思って、マンションの非常階段とかに隠れて。朝方に横浜の家に到着できたのですが、スリッパはボロボロ。帰宅時、母は仕事で家にいなかったので1人でした。
――フラッシュバックの症状はひどい
長渡 初めてインタビューに答えた時には、その3日後くらいまで気分が落ち込んで。しゃべっている時に目の前が真っ白になったり、頭痛がしたり、首から頭の方にかけてピリピリとした痛みを感じることがあります。