著名人らへの暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)容疑などで逮捕された元参院議員のガーシー(東谷義和)容疑者(51)の動向を巡って、騒がしい事態となっている。永田町では衆院解散の観測が出ており、政治家女子48党の立花孝志氏(55)は同容疑者を再び擁立する意向で、勾留されたままでの“獄中立候補”が現実味を帯びてくるのだ。

 ガーシー容疑者は滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイから事実上、強制退去の形で日本に帰国し、逮捕された。

 6日に送検され、本格的な取り調べが始まり、動画の配信事実は認めつつも「犯罪に当たるとは思わなかった」と供述しているという。

 再逮捕の可能性や起訴されるかどうかも含めて、不透明な状況だが、立花氏は既に同容疑者の身の振り方を思案している。4日の記者会見で「本人の意向も確認しながら、積極的に再度国会議員に挑戦してもらいたい」と2年半以内に行われる衆院選もしくは再来年の参院選に擁立する方針を明かしていた。

 同容疑者は参院議員として、今年3月に参院懲罰委員会の弁明で「今後の国政選挙において再度立候補して、改めて国民に信任の判断を仰ぐつもり」と除名となっても再び立候補する意思があることを表明していた。その後、SNSを凍結され、今回の逮捕となり、発信力を再び得るために国会議員のバッジを求め、立花氏の要請に応じる可能性は高いともいえる。

 今後の取り調べや刑事処分の行方で、同容疑者の環境は変わってくる。逮捕後は原則として23日以内に起訴か不起訴が決定する。警視庁は脅迫容疑では異例ともいえる国際手配をかけ、UAE当局まで動かしたとあって、不起訴処分による釈放の可能性はほぼないとみられる。

 同容疑者は容疑を一部否認し、供述調書への署名を拒否している状況から、起訴された場合は一審の初公判まで保釈されずに数か月、勾留される事態も予想される。永田町では岸田文雄首相が解散総選挙に踏み切るとの見方が漂っており、早ければ7月総選挙が取りざたされている。

 立候補要件となる被選挙権は禁錮以上の刑を受けた場合は執行が終わるまでは失う。一方で、執行猶予付き判決が出た場合や控訴などで判決が確定するまでの間も立候補は可能となる。

 過去、国会議員で保釈中に立候補した例では、中村喜四郎衆院議員や鈴木宗男参院議員、石川知裕元衆院議員らがいるが、勾留された身での立候補となると異例だ。

「“獄中立候補”といえば、元首相の田中角栄さんが語り継がれています。若かりしころの1948年に炭鉱国管疑獄で逮捕、勾留されたまま衆院選に立候補した。選挙中に保釈され、当選し、その後に無罪判決を勝ち取っていた」(永田町関係者)

 また状況は異なるが、2007年の参院選では、チリで軟禁状態にあったペルーのフジモリ元大統領が国民新党から立候補するも落選している。

 昨年の参院選で、ガーシー容疑者は日本に帰国することなく、海外に滞在したままで約28万票を集めて当選。異例の選挙戦は注目を浴びた。“獄中立候補”となれば、弁護士や関係者を通じての文面での公約や第一声、選挙活動となり、再び話題となること必至だ。

 立花氏は「次の解散総選挙は厳しいと思っていたが、ガーシー擁立で注目を浴びる。立候補はほぼほぼ既定路線」と当選が見込める比例ブロックの選定に着手しており、また物議を醸すことになりそうだ。