将棋の藤井聡太六冠(20=竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)が1日、長野県高山村で指された第81期名人戦7番勝負第5局で渡辺明名人(39)を破り、4勝1敗で名人を初獲得し、七冠となった。20歳10か月での名人奪取は最も若く、7タイトル保持も最年少の快挙だ。

 現有タイトルを保持しつつ、残る「王座」を獲得して8冠を目指す藤井聡太名人。実現すれば、2017年に叡王戦がタイトルに加わって以降初の全8冠独占に。18年には八大タイトルを8人で分け合う群雄割拠状態も生じたが、当時無冠だった藤井が天下統一の偉業に挑む。そこで待ち構えるのは――。

 5日に開幕する棋聖戦5番勝負、7月開幕の王位戦7番勝負とも対戦相手は佐々木大地七段。対戦成績は双方2勝2敗。佐々木の師匠である深浦康市九段は対藤井戦で3勝1敗と勝ち越している数少ない棋士で、師弟コンビによる頭脳戦も注目される。

 王座への挑戦者を決めるトーナメントは既に始まり、藤井は初戦を突破して8強に駒を進めた。準決勝で対戦する可能性があった大橋貴洸七段が敗退。大橋も藤井に4勝2敗と勝ち越しているだけに、ネット上では藤井にとって「ありがたい展開」などと指摘する投稿もあった。

 トーナメントであと3勝すれば永瀬拓矢王座との5番勝負へ。例年9、10月に行われる。永瀬も難敵だ。

 30歳の永瀬が年下の藤井と研究会で研さんを積んできたのは有名なエピソード。対藤井戦は負け越しているが、永瀬の白星5つは棋士の中で上位に入る。かつて漫画誌のインタビューで「全冠同時制覇」を目標に掲げており、天才棋士の前に立ちはだかることになりそうだ。