突然、辞職した背景は? 政府は29日、岸田文雄首相(65)の長男で首相政務秘書官を務める翔太郎氏(32)が6月1日付で辞職することを発表。事実上の更迭とみられている。辞職が発表されると、「ボーナスを満額受け取るのか!」とSNSで炎上。批判を気にしたのか、翔太郎氏は退職金や期末・勤勉手当(ボーナス)を受け取らない意向を示しているという。

 岸田氏は29日、自民党役員会に出席後、首相官邸で報道陣の取材に答え、「公邸での昨年の行動が政務秘書官として不適切で、けじめをつけるために交代させた。任命責任は私自身にあり、重く受け止めています。国民のみなさまの声を一つひとつに答えを出していくことにまい進することで、職責を果たしたい」と説明。翔太郎氏の後任は、前任者の山本高義氏を充てるという。

 25日発売の「週刊文春」は、翔太郎氏をはじめとした岸田氏の親族10人以上が、昨年12月30日に公邸で集合写真を撮影したり、赤じゅうたんが敷かれた階段に寝そべるなどしたりする写真を掲載。野党から「公私混同」と批判が起き、更迭要求もあったが、岸田氏は厳重注意にとどめていた。

 それが一転して事実上の更迭とはどういうことなのか。永田町では翔太郎氏が公邸で撮影した忘年会の写真流出をめぐり、「文春報道は“親族の忘年会”と伝えた。実は親族のいとこが1人紛れ込んでいただけで、ほかは翔太郎氏の友達だったのではなかったのか。親族だけの忘年会だったら、写真流出は考えづらい。翔太郎氏の友達関係が流出させたのではないか」との見方が広がっていた。また、辞職の背景について「今週発売の週刊文春で翔太郎氏の忘年会問題で第2弾が掲載されるとの情報が駆け巡りました。岸田総理は今後の国会で野党の追及を受けた場合、厳重注意で済ませたでは済ませなくなる恐れがあったのではないか」と、永田町関係者の間で声が上がっていたのだ。

 岸田氏は先進国首脳会議(G7広島サミット)の成果で内閣支持率を一気に急上昇させたが、翔太郎氏の“忘年会問題”や公明党との選挙区をめぐる問題で衆院解散総選挙に「消極的になるのではないか」と指摘されている。

 続報による政権へのダメージを最小限にしたいという狙いで「けじめ」をつけさせたということだが、すでにネットでは炎上してしまっていた。

 ある野党議員は「翔太郎氏は6月1日付で辞任するということだが、岸田首相の“親バカ”ぶりが表れています。翔太郎氏は約200万円のボーナスを支給されてから辞めるわけです。国民からの批判を浴びる可能性があります」と語った。

 内閣官房によると、国家公務員の特別職は6月1日まで在職していると、期末・勤勉手当が全額支払われることになっているという。SNSでも辞職が5月31日付ではなく6月1日付になっていることから、「ボーナス満額支給が狙いではないか」と疑心暗鬼が広がっていた。果たしてボーナスを受け取るのか注目されていたが、政府関係者によると、翔太郎氏は退職金や期末・勤勉手当を受け取らない意向を示しているとのこと。

 翔太郎氏を巡って週刊誌沙汰になるのは今回が初めてではない。2022年10月に首相秘書官に起用されたが、23年1月に「週刊新潮」で首相の欧米歴訪に同行した際に公用車を利用してお土産を購入していた疑惑を報じられていた。最後までお騒がせだ。