歌舞伎俳優・市川猿之助は2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」で武田信玄役で出演したのをきっかけに、テレビドラマでも活躍するようになる。2020年には「半沢直樹」(TBS系)に主人公の敵役として出演した。

「猿之助はドラマでは主人公の敵役だったり悪役を演じることも多かったですし、それがぴったりとはまった。ただ、ひとたびドラマから出て、バラエティー番組に出演すれば、喜々としてしゃべってハイテンションで番組を盛り上げる。このギャップを面白がって、テレビ局からのオファーは多かった」(芸能関係者)

 2012年に市川亀治郎改め、四代目市川猿之助を襲名した。おじの二代目市川猿翁が作り上げた「スーパー歌舞伎」をさらに発展させ、「スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』」などを上演した。

「新しい歌舞伎として時流に乗った。猿之助の名前も不動のものとなったし、名前で客が呼べる役者になった」(同)

 猿之助は11年の襲名発表会見で、その重みについて語っていたが、港区の飲み屋で、梨園関係者らに〝秘めた思い〟を口にする姿を目撃されている。

「あるバーでは『私は〝市川猿之助〟が嫌いなんだ!』などとこぼすこともあった。完璧主義で、自身の芸に厳しいことで知られてましたから、大名跡にプレッシャーがあったのではないか」(梨園関係者)

 警視庁は猿之助の回復を待って、経緯を聴く方針だ。