よくしゃがれた声の原因を「酒焼け」というけれど、実際アルコール度数の高いウイスキーやウォッカをストレートで飲むと、喉がチリチリッと焼けるような気がする。

 実はこれ、気のせいではない。アルコールによって、喉の粘膜に化学的な火傷が起こっているのだという。しかもこの火傷を繰り返すことによって、食道がんになる確率も高くなるのだそう。しかも日に純アルコールに換算して40グラム(日本酒2合)以上、酒を飲む人は飲まない人に比べ、食道がんのリスクが4・6倍にもなるというから恐ろしい。

 それではさぞかし酒豪は注意せねばなるまいと思ったら、酒を飲んで顔が赤くなる「フラッシャー」のほうが危険なのだ。フラッシャーの場合、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の活性が弱いため、毒性が強く、発がん性のあるアセトアルデヒドが体内に長く残る。しかもアセトアルデヒドは血中だけでなく、唾液にも入ってくる。これがいわゆる「酒臭い」と言われる状態だ。唾液中のアセトアルデヒド濃度は、血中濃度よりも高い。これによって食道の粘膜がアセトアルデヒドの毒性にさらされ、食道がんのリスクが上がるというワケだ。深酒した翌朝、「うわっ、酒くさっ!」と思うことがあるが、軽視している場合ではない。食道がんのリスクを下げるには、アルコール度数の高い酒はなるべく避ける。飲む場合は水を一緒に飲むこと。それにより、アルコールによる食道への刺激が緩和する。

酒臭さのメカニズムとは
酒臭さのメカニズムとは

 さんざんぱら飲んだ後、刺激が欲しくて、つい高濃度のアルコールをストレートで飲みたくなるが、カラダのためには避けたほうが無難のよう。「ウイスキーを牛乳で割ったカウボーイというカクテルなら粘膜にも優しそう」と思うが、飲み過ぎれば同じこと。無茶をしない、大人の飲み方を心がけよう。