ボクシング前WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(37=帝拳)が28日、現役引退会見を行った。
村田は2012年ロンドン五輪で日本人48年ぶり2人目となる金メダルを獲得。13年8月にプロデビューし、17年10月にWBA世界ミドル級王座を獲得した。
昨年4月にはIBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との2団体統一戦を実現させ、9回TKOで敗北。今年2月の22年度年間優秀選手表彰式で「あの試合が僕の中では最後だと思っている」と事実上の現役引退を表明していた。
この日の会見の冒頭で村田は帝拳ジム、スポンサー、放送局、家族に対し感謝の言葉を繰り返した。その上で「ボクサーとしては引退ですけど、これは引退という名のスタートだと思っています。よりよい社会、未来を作るために皆さまと何かをご一緒させていただければと思います」と心境を明かした。
引退理由について問われると「もともとゴロフキン戦が最後だと思っていた」と説明。実際に戦って通用する部分、反省点もあったというが「これ以上、自分がボクシングに求めるもの、ボクシング界にできることがあまり見つからなかったというか。もっと欲を出せば今まで以上に稼げたと思うんですけど、それ以上の求めるものがなくなってしまった。(これ以上は)欲を求めてしまうんじゃないか、執着が生まれてしまうんじゃないかと気付いたのが最大の引退理由ですかね」と明かした。
また引退後については「自分が受けてきたものをどう還元していけるか」と話した上で「ボクシングだけでなく、アスリートのキャリアは、どうしても夢がかなってしまうんですよね。そうなると、その後のキャリアはそれ以上の熱が持てない。(自分が)『競技だけが人生ではない』ということを示すことで、ボクサーやアスリートのいいロールモデルになれればと思っています」と口にした。
プロとアマ両方で頂点に立った、輝かしいボクシング人生だった。村田は「ボクシング人生で気付いたことは、自分が思ったより強く、思ったより弱く、思ったより美しい部分もあれば思ったより醜い部分もある。自分自身と向き合えた、そういう旅だったと思います、ボクシングというのは。俺って人として汚くて弱いんだっていうのは、意外と悪いものではなくて。その葛藤をしていくことが生きていくことだと思います」と回顧。「ボクシングで自分がやってきたことに、これが必要だった、あれが必要だったというのは部分的には数えきれないくらいあります。ただそれを含めて、ロングショットで見たボクシング人生に悔いというものはないです」と晴れやかな表情を浮かべ、ボクサー人生にピリオドを打った。












